アルファロメオ・147

アルファロメオ 147：イタリアンスポーツハッチバックの傑作

アルファロメオ 147は、2000年から2010年にかけて製造された、イタリアの自動車メーカー、アルファロメオによるハッチバック型乗用車です。145/146の後継モデルとして登場し、そのスタイリッシュなデザインと高い走行性能で、瞬く間に人気を博しました。2001年には権威あるヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞、その実力を世界的に認められました。

洗練されたデザインと多彩なバリエーション

147のデザインは、アルファロメオ・デザインセンターのデザイナーたちが共同で手がけました。イタリア車らしい情熱的なフォルムと、洗練されたシルエットが見事に融合したデザインは、多くの賞賛を集めました。ボディタイプは3ドアと5ドアが用意され、ユーザーの好みに合わせた選択が可能でした。

エンジンは直列4気筒ガソリンエンジンとディーゼルエンジンがラインナップ。日本市場には、1.6Lと2.0Lのツインスパークエンジンを搭載したモデルが導入されました。ツインスパークエンジンは、1気筒あたり2本のスパークプラグを採用することで、燃焼効率を高め、力強い走りを実現しています。トランスミッションは5速マニュアルトランスミッションに加え、セミオートマチックトランスミッションである「セレスピード」も選択可能でした。セレスピードは、ステアリングホイール裏側のパドルシフトで操作することができ、スポーティなドライビング体験を提供しました。

シャシーは、フロントにダブルウィッシュボーン式、リアにマクファーソンストラット式サスペンションを採用。高い操縦安定性と快適な乗り心地を両立していました。

2004年のフェイスリフトと充実の装備

2004年には、著名なデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ氏によるフェイスリフトを実施。ヘッドライト、テールライト、フロントグリルなどのデザインが変更され、さらに洗練されたスタイルとなりました。同時に、内装のアップグレードや新型ディーゼルエンジンの追加、サスペンションの改良なども行われ、さらなる進化を遂げました。

日本市場での展開と人気モデル

日本では、2001年10月からフィアットオートジャパン株式会社が輸入販売を開始しました。「2002年度インポートカーオブザイヤー」や「2002-2003グッドデザイン賞」を受賞するなど、高い評価を獲得しています。

日本市場ではガソリンエンジンモデルのみが導入されました。グレードは、1.6TS、2.0TS、2.0TI、そして最上級グレードであるGTAの4種類がラインナップされました。2.0TSは、VDC（横滑り防止装置）、MSR（エンジンブレーキ・トルクコントロール）、ABS（アンチロックブレーキシステム）などの安全装備に加え、BOSE製サラウンドシステムも搭載した充実の装備が魅力でした。また、2008年にはドゥカティとのコラボレーションモデル「アルファ147 ドゥカティ コルセ」が限定販売されるなど、話題を呼びました。

最上級グレードであるGTAは、3.2L V型6気筒エンジンを搭載し、アルファロメオ伝統のV6エンジンの最後の搭載車種となりました。専用のバンパーやホイール、内装など、他のグレードとは一線を画す特別なモデルでした。

2009年には、Specialeシリーズが追加され、2.0Lエンジンと5速セレスピードの組み合わせが設定されました。そして、2011年3月、後継車種のジュリエッタの登場に伴い、147の販売は終了しました。

アルファロメオ 147は、優れたデザイン、高い走行性能、そして充実の装備を備えた、魅力的なハッチバックとして、多くの自動車ファンに愛された一台と言えるでしょう。

もう一度検索