アルファロメオ・159

アルファロメオ 159： 洗練されたデザインと高い走行性能を誇る名車

アルファロメオ 159（タイプ939）は、2005年に発表されたアルファ156の後継モデルとして、高い人気を博したセダンおよびワゴンです。巨匠ジョルジェット・ジウジアーロ氏とアルファロメオ・デザインセンターが共同で手がけたエクステリアデザインは、コンセプトカーであるアルファロメオ・ブレラのイメージを踏襲しており、特にワゴンモデルは「最も美しいワゴン」と称賛されました。

デザインと車体

156から大幅に車体が拡大され、特に全幅は大きく広がりました。ジウジアーロ氏自身も、ブレラのデザインを最大限に活かすためには、この車幅が不可欠だったと述べています。フロントフェイスは、特徴的なブレラ顔を受け継ぎ、力強く洗練された印象を与えます。セダンとワゴン、両方のボディタイプが用意され、ユーザーのニーズに合わせた選択が可能でした。

エンジンと駆動方式

搭載エンジンは、ガソリンエンジンとして直列4気筒1.8L、1.9L、2.2L、V型6気筒3.2L、ディーゼルエンジンとして直列4気筒1.9L、直列5気筒2.4Lが用意されていました。日本市場では、2.2Lと3.2Lのガソリンエンジン車が販売されました。駆動方式は、基本的にはフロントエンジン・フロントドライブですが、3.2L V6モデルにはQ4と呼ばれる四輪駆動システムがオプションとして設定されていました。

安全装備

159には、充実した安全装備が搭載されていました。トラクションコントロールASR、MSR、ブレーキアシストHBA、EBD付きABSなどが、スタビリティコントロールVDCに統合制御され、高い安全性を実現しています。また、坂道発進を容易にするヒルホールドシステムも搭載され、ドライバーの負担を軽減する工夫が凝らされていました。

オフィシャルカーとしての採用

159は、その高い信頼性と洗練されたデザインから、イタリアのカラビニエリ（憲兵隊）のパトカーや、在外公館、官庁の専用車として多数採用されました。さらに、アルファロメオがトリノオリンピックのオフィシャルスポンサーを務めた際には、組織委員会のオフィシャルカーとして数十台が提供されました。

歴史と生産終了

2005年のジュネーブモーターショーでの発表後、2008年には内装とダッシュボードが変更され、軽量化が図られました。2009年には新型の直噴ターボエンジンを搭載したモデルが追加され、2010年には一部ガソリンエンジンの廃止、2011年にはガソリンエンジンの生産を完全に終了し、2.0Lディーゼルエンジンのみとなりました。2013年には、フィアットの生産体制変更に伴い、日本を含む左側通行の国々への販売が終了し、その後、生産も終了しました。

まとめ

アルファロメオ159は、美しいデザイン、優れた走行性能、充実の安全装備、そして高い信頼性を兼ね備えた、魅力的なモデルでした。セダンとワゴン、そして様々なエンジンバリエーションが用意され、幅広いユーザー層から支持を得ました。イタリア車の代表格として、多くのファンを魅了し、自動車史に名を刻む一台と言えるでしょう。 その存在感は、現在でも多くの愛好家によって記憶されています。

もう一度検索