アルミランテ・ブラウン級駆逐艦

アルミランテ・ブラウン級駆逐艦について

アルミランテ・ブラウン級駆逐艦は、アルゼンチン海軍が配備する艦級であり、その設計と建造は西ドイツのブローム・ウント・フォス（B+V）社によって行われました。この艦級は、MEKO 360H2型フリゲートという名でも知られ、1970年代初頭に発表された輸出用フリゲートの一つです。今回の設計では、排水量は約3,600トンで、搭載機として当初は2機のヘリコプターを想定していましたが、最終的には1機に変更されています。

設計の背景

MEKOとは、「多用途フリゲート構想」を意味し、兵器や電子機器、その他の装備品をモジュールによって組み合わせることで、保守整備のコストを抑えることが目的とされています。この方式により、基本的な船体設計が行われ、その上に顧客ごとに異なるモジュールを組み合わせた艦を提供することが可能になりました。また、ステルス性も考慮されており、1980年代中頃の測定では、レーダー反射断面積が約500平方メートルと計測されました。

アルミランテ・ブラウン級の主機は、ガスタービンエンジン二基（RM1Cおよびロールス・ロイス オリンパスTM3B）を搭載し、これにより二軸の可変ピッチ・プロペラを駆動する構成となっています。合計出力は2,600キロワットに達し、高速での運用に適しています。

装備と能力

この艦級は、SEWACO戦術情報処理装置を搭載し、リンク 10およびリンク 11と連携することが可能です。また、様々なレーダー（DA-08、ZW-06、デッカ1226）を完備し、火器管制用のWM-25レーダーも装備されています。これに加え、艦砲には54口径127mm単装速射砲と40mm連装機銃を搭載し、攻撃的な能力も兼ね備えています。

艦載ミサイルとしては、アルバトロス個艦防空ミサイルの発射機や対艦ミサイルであるエグゾセMM40の発射筒を装備。さらに、324mm短魚雷発射管も装備し、対潜能力もシステムに含まれています。驚くべき点として、この世代の艦として珍しく爆雷投下軌条を備えており、艦載ヘリコプターは一機搭載される設計です。艦尾にはヘリコプター甲板があり、過去にはさまざまな機体が搭載されていました。

運用史と現状

この駆逐艦の発注は1978年12月に行われ、当初は6隻の整備が計画されましたが、1980年には4隻に縮小され、全てブローム・ウント・フォス社で建造されました。全艦はプエルト・ベルグラノ海軍基地を母港とし、第2水雷戦隊で運用されています。この艦級は、1990年代に中東地域への派遣も経験しています。

しかし、アルゼンチン海軍は財政問題や補給制約から整備や運用には困難を抱えており、部品不足や機関のトラブル、耐用年数の超過などの報告が相次いでいます。近年は予備部品の調達が困難になり、艦の運用に影響を及ぼしています。これにより、アルミランテ・ブラウン級駆逐艦の今後の運用に不安が残るところです。

同型艦と今後

同型艦の情報は詳細にリスト化されており、軍事的な役割を果たし続けていますが、現代戦の変化に適応した整備や運用が求められます。アルミランテ・ブラウン級は、アルゼンチン海軍の重要な戦力の一部でありながら、新たな挑戦に直面しています。

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