アレクサンドル・ブルダ

アレクサンドル・フョードロヴィチ・ブルダ（1911年4月12日 - 1944年1月25日）は、ソビエト連邦の伝説的な軍人であり、戦車エースとして知られています。最終階級は親衛大佐であり、彼の戦歴は第二次世界大戦における数々の戦果に彩られています。特に、彼は30両以上の敵戦車を撃破したことで知られ、ソ連邦英雄の称号を追贈されています。

前半生の歩み

ブルダは、ロシア帝国のロヴェニキという小さな町で生まれ、９人兄弟の長男として育ちました。父は炭鉱夫であり、ウクライナ人の血を引く彼は、家庭の助けをしながら教育を受けました。学業を終えた後は、羊飼いを経て電気技師としての訓練を受け、地元の鉱山で整備士として働いていました。

1932年には徴兵され、第5重戦車旅団に配属されることになりました。その後、彼は共産党に入党し、機関銃手、続いて中央砲塔の司令官としての役割を果たしました。また、T-35重戦車の製造工場で特別教育を受けた経験も彼の技術力を高めました。1936年には小隊司令官となり、この頃に彼は軍に残る決意を固めました。

大祖国戦争での活躍

1941年、ドイツがソ連に侵攻した際、ブルダは第15戦車師団に所属していました。開戦初日から激しい戦闘に参加し、特に撤退時には敵戦車を撃破する功績を上げました。戦闘の中で彼の部隊はほぼ壊滅状態となりますが、ブルダは第4戦車旅団に再編成され、新たな戦闘を繰り広げました。

彼はオリョールでの敵部隊の偵察任務を成功させ、戦局を有利に導く重要な役割を果たしました。狙いを定めた巧みな戦術で、ブルダの指揮の下、彼の部隊は多くの敵戦車を撃破しました。戦時中の彼は、戦闘の合間には音楽やダンスを楽しんでいたことも記録されています。

顕著な戦果と最期

1943年には連隊司令官として、騎兵部隊の撤退を助けるために敵後方を探索し、認識をしてドイツの戦車列を攻撃しました。彼はその後、クルスクの戦いに参加し、多大な損害を与えたことが記録されています。

1944年、コルスン包囲戦での最中に彼は重要な局面を迎えます。12両の敵ティーガー戦車が接近してきた際、彼は単独で立ち向かいました。最終的に彼は2両を撃破しましたが、戦闘中に被弾し、戦死しました。しかし、彼の奮闘により、旅団の他の兵士たちは無事に撤退し、重要機密書類は敵の手に渡ることを免れました。

ブルダの戦闘における功績は、彼の名が後世に残る理由となり、彼が戦士として果たした役割を称える多くの記念碑や通りがあります。彼の遺族は、戦死当時妻と12歳の息子がいました。彼は戦後になってソ連邦英雄の称号を追贈され、今も英雄として人々に語り継がれています。

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