アワッサ

アワッサ（Hawassa）

アワッサはエチオピアのシダマ州に位置する都市で、州都としてもその名が知られています。面積は157.21平方キロメートルと広く、2015年の調査によると、人口は約41万人に達しています。この都市は、美しいアワッサ湖の東岸にあり、エチオピアの首都アディスアベバからは約285キロメートル南に位置しています。

歴史

アワッサの歴史は、1978年にシダモ州の州都に指定されたことから始まります。しかし、1994年にはシダモ解放運動(SLM)に関する事件が発生し、多くの団員が逮捕されました。1995年には南部諸民族州が設立され、アワッサがその州都になることが決まりますが、その後も地域の政治的な動きは数回にわたり不安定でした。

2002年には、政府軍による農民の殺害事件が発生したことが地域住民の間で大きな波紋を呼びました。州都を他の都市に移動しようとする計画に対して、シダマ人は大規模なデモを行い、警察との衝突が生じました。この事件では多くの命が失われ、国際的な人権監視団からも注目されることとなりました。

2007年、州政府は計画的に州都をアレタ・ウェンドに移動させる決定を発表しましたが、実際には移転が行われていない状態が続いています。2019年に行われた住民投票では、シダマ州設立の賛成が多数を占め、2020年には正式に分離され、アワッサが州都となりました。

地理

地理的には、アワッサは大地溝帯に位置し、アワッサ湖の東岸に面しています。周辺には自然の美しい景観とともに、ディレ（エチオピア）から北に約75キロメートル、ソドから東に130キロメートル離れた場所に位置しています。この地理的特性は、観光や経済に重要な役割を果たしています。

教育と交通

アワッサには、1999年に設立されたアワッサ大学をはじめ、複数の高等教育機関があります。交通網も整備されており、1988年にはアワッサ空港が開港し、国際的な交通の便も向上しています。また、アフリカ4号道路が通っており、カイロからケープタウンに至る重要な交通路となっています。

経済

アワッサの経済は主に漁業を中心に成り立っています。また、農業やサービス業も地域経済に寄与しています。市内には漁業に関する産業が多く、アワッサ湖からの魚は地元住民にとって重要な食料源となっています。

人口と民族

アワッサの人口は、1984年には約36,000人、1994年には約69,000人と増加し、2007年には約157,000人、2015年には約417,000人と急速に増加しています。市民の多くはシダマ人で占めており、その他にもアムハラ人やオロモ人などの民族が共存しています。言語もシダモ語やアムハラ語が使われ、宗教的にはプロテスタントが多数を占めています。

アワッサは、エチオピアの歴史と文化を色濃く反映する都市です。自然の美しさとともに、様々な民族、文化が共存する特色が魅力となっています。

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