アンソニー・マッカーテン

アンソニー・マッカーテン（Anthony McCarten、1961年4月28日 - ）は、ニュージーランドのニュープリマス出身の脚本家、小説家、劇作家です。マッセー大学とヴィクトリア大学ウェリントンで学び、文学的な素養を培いました。彼のキャリアは、2000年の小説『Spinners』でのデビューから始まり、この作品はエスクァイア誌の「2000年の小説ベスト10」に選ばれるなど、早くからその才能が注目されていました。

マッカーテンの転機となったのは、2014年に公開された映画『博士と彼女のセオリー』です。この作品では、脚本とプロデュースの両方を担当し、その優れたストーリーテリングが高く評価されました。第68回英国アカデミー賞では脚色賞と英国作品賞を受賞、さらに第87回アカデミー賞でも脚色賞にノミネートされるなど、国際的な映画賞レースで大きな存在感を示しました。

その後も、マッカーテンは歴史上の人物を題材にした作品でその手腕を発揮しています。『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男|ウィンストン・チャーチル_ヒトラーから世界を救った男』（2017年）では、第二次世界大戦中のイギリス首相ウィンストン・チャーチルの苦悩と決断を描き、『ボヘミアン・ラプソディ』（2018年）では、伝説的なロックバンド、クイーンのボーカル、フレディ・マーキュリーの生涯をドラマチックに描き出しました。これらの作品は、観客だけでなく批評家からも高い評価を受け、マッカーテンは脚本家としての地位を不動のものとしました。

さらに、『2人のローマ教皇』（2019年）では、カトリック教会の歴史における重要な転換期を描き、宗教的なテーマにも挑戦しました。近年では、『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』（2022年）で、伝説的な歌手ホイットニー・ヒューストンの生涯を脚本と製作の両面から描き、多様なジャンルでその才能を発揮し続けています。

マッカーテンの作品は、史実に基づきながらも、人間ドラマとしての深みや感動が織り込まれている点が特徴です。彼は、単なる歴史の再現ではなく、登場人物の心情や葛藤を丁寧に描写することで、観客の心に強く訴えかける作品を創り出しています。その結果、多くの観客を魅了し、映画史に残る傑作を数多く生み出しています。

主な作品

博士と彼女のセオリー The Theory of Everything (2014) - 脚本・製作
ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男|ウィンストン・チャーチル_ヒトラーから世界を救った男 Darkest Hour (2017) - 脚本・製作
ボヘミアン・ラプソディ Bohemian Rhapsody (2018) - 原案・脚本
2人のローマ教皇 The Two Popes (2019) - 脚本
ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY I Wanna Dance with Somebody (2022) - 脚本・製作


外部リンク

アンソニー・マクカーテン - allcinema
アンソニー・マッカーテン - KINENOTE
アンソニー・マッカーテン - IMDb（英語）

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