アンソニー・レイク

アンソニー・レイク

アンソニー・レイク（William Anthony Kirsopp Lake, 1939年4月2日 - ）は、アメリカ合衆国の著名な外交官、政治学者です。彼は、国務省政策企画本部長、国家安全保障問題担当大統領補佐官、そして国際連合児童基金（ユニセフ）事務局長といった要職を歴任しました。

概要

レイクは、サイゴン領事、国家安全保障担当大統領補佐官付特別補佐官を経て、カーター政権下で国務省政策企画本部長に就任し、その手腕を発揮しました。クリントン政権下では、国家安全保障担当大統領補佐官として、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の解決に尽力するなど、国際社会の平和と安定に大きく貢献しました。その後は、ジョージタウン大学のEdmund A. Walsh School of Foreign Serviceで教鞭をとり、後進の育成にも力を注いでいます。2010年5月1日からは、ユニセフ事務局長として、世界の子どもたちの福祉向上に貢献しました。

経歴

生い立ち

1939年4月2日にニューヨークで生まれたレイクは、1961年にハーバード大学を卒業後、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで経済学を学びました。さらに、1974年にはプリンストン大学のWoodrow Wilson School of Public and International Affairsで博士号を取得し、その学術的基盤を確立しました。

官界・政界での活躍

ベトナム戦争中の1962年、レイクは駐南ベトナム大使ヘンリー・カボット・ロッジJr.の補佐官として国務省に入省し、外交官としてのキャリアをスタートさせました。その後、駐サイゴン領事（1963年）、駐フエ副領事（1964-1965年）、国家安全保障担当大統領補佐官付き特別補佐官（1969 - 1970年）を歴任し、着実にその経験を積んでいきました。1969年には、ニクソン政権下でパリで行われた北ベトナム側との初の秘密会談に、国家安全保障担当補佐官ヘンリー・キッシンジャーに随行しました。しかし、1970年、ニクソン政権によるカンボジアへの戦線拡大に関してキッシンジャーと意見が衝突し、国務省を去ることとなりました。

国務省を去った後、レイクはメーン州選出の上院議員エドマンド・マスキーの選挙キャンペーン、カーネギー国際平和基金、International Voluntary Servicesで活動しました。その後、カーター政権下の1977年に国務省政策企画本部長として国務省に復帰し、1981年までその職を務めました。

1981年にレーガン政権が成立すると、レイクは再び国務省を離れ、アマースト大学教授となりました。1984年にはマウント・ホリオーク大学に移り、ベトナム戦争の成り行き、第三世界における革命、アメリカの外交政策について研究しました。

1992年の大統領選挙期間中、レイクはクリントン陣営の最高外交顧問の候補者の1人として名前が挙がりました。クリントン政権下では国家安全保障担当大統領補佐官（1993-1997年）を務め、ボスニア紛争、ソマリア内戦、1994年朝鮮半島危機などの難局の解決に尽力しました。1996年にクリントンが再選されると、中央情報長官（CIA長官）に指名されましたが、共和党の反対により上院情報委員会の審議が紛糾し、最終的にレイクは指名を辞退しました。

近年では、アメリカ外交・安全保障の超党派組織であるPartnership for a Secure Americaの顧問や、2008年アメリカ合衆国大統領選挙で民主党候補として当選したバラク・オバマの外交顧問を務めました。2010年3月16日にはユニセフの事務局長に任命され、5月1日に就任しました。

2018年秋には、長年の功績が認められ旭日大綬章を受章しました。

著作

6 Nightmares: The Real Threats to American Security (Back Bay Books, 2001). ISBN 0-316-56147-9

外部リンク

ジョージタウン大学でのレイクのホームページ

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