アンダーソン・クーパー

アンダーソン・クーパー：激動の時代を伝えるジャーナリスト

アンダーソン・クーパー（Anderson Hays Cooper）は、1967年6月3日生まれのアメリカ人ジャーナリスト、アンカーマン、そして作家です。彼は現在、CNNのニュース番組『アンダーソン・クーパー360°』のアンカーを務め、世界中の出来事を視聴者に伝えています。

生い立ちと家族

クーパーは、作家のワイアット・エモリー・クーパーと、芸術家でありデザイナー、そして作家でもあるグロリア・ヴァンダービルトの次男としてニューヨーク市に生まれました。母グロリアは、鉄道王コーネリアス・ヴァンダービルトの5世孫にあたる名門ヴァンダービルト家の出身です。父ワイアットはグロリアの4番目の夫でしたが、度重なる心臓発作により1978年に手術中に亡くなりました。また、兄カーターは1988年、母グロリアの目の前でペントハウスから飛び降り自殺するという悲劇に見舞われました。この兄の死が、彼がジャーナリストを志すきっかけになったと言われています。実兄の他に異父兄が2人おり、そのうちの1人は38年間音信不通でしたが、2016年に母とクーパーとともに再会を果たしました。

1989年にエール大学で政治学の学位を取得後、1990年代前半には特派員として活動。その後、報道の仕事を一時中断し、ベトナムのハノイ大学でベトナム語を学びました。

テレビのキャリア

チャンネルワン

エール大学卒業後、ABCの採用試験に落ちたクーパーは、若者向けの番組を制作するチャンネルワンに就職します。しかし、半年後にはチャンネルワンを辞職し、ベトナムでの生活を経て、ビルマ、ソマリア、ルワンダなどの紛争地域から映像と記事を発信するようになりました。

ABCニュース

1995年、ABCニュースの特派員となり、「ABCワールドニュースナウ」の共同キャスターを務めます。2000年には、ABCのリアリティ番組「The Mole」の司会者に抜擢されました。

CNN

「The Mole」の2シーズン目を終えた後、CNNに移籍。2001年からCNNのニュース番組を担当し、2002年からは週末のゴールデンタイム番組のキャスターを務めるようになりました。同年から、ニューヨークのタイムズスクエアで行われる大晦日スペシャルを担当しています。そして2003年9月8日、平日夜のニュース番組「アンダーソン・クーパー360°」のキャスターに就任しました。

2005年には、南アジアの津波被害やバグダードでの選挙、レバノンの「杉の革命」などを取材。同年4月には、ローマでの教皇ヨハネ・パウロ2世の死去後の様子や、ロンドンでのチャールズ3世（当時皇太子）とカミラ妃の結婚式を取材しました。また、ハリケーン・カトリーナ後のニューオーリンズを取材した際には、被災地の状況を目の当たりにして涙し、政府の対応を厳しく批判しました。

2011年2月には、エジプトの大規模デモを取材中に親ムバラク派に襲われ軽傷を負いました。同年3月の東日本大震災では、発生直後から被災地入りして取材しましたが、福島第一原発事故の発生後すぐに帰国したため、批判を受けました。

その他の活動

2006年5月には、著書「Dispatches from the Edge」を出版。ジャーナリストとしての客観性を保つため、また、有名人として常に注目を浴びていた母のような生き方を避けるため、自身の私生活については多くを語らない方針をとってきました。しかし、長年にわたり噂されてきた同性愛者であることを、2012年に公表しました。

2020年5月1日、自身の番組で男児の父親になったことを発表。2019年に母親を亡くして孤独を感じていた彼は、2020年に代理母を通じて子供を授かり、2018年に別れた元パートナーと共同で子育てを行っています。

アンダーソン・クーパーは、そのジャーナリストとしての才能と人間性で、多くの人々に影響を与え続けています。彼の今後の活躍から目が離せません。

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