アンドロジェニー -麗しき乙女たち-

アンドロジェニー -麗しき乙女たち-

『アンドロジェニー』は、1985年9月20日から11月5日にかけて、宝塚大劇場にて上演されたレビュー作品です。この作品は宝塚歌劇団花組によるもので、形式名は「ミュージカル･アドベンチャー」となっており、全18場から構成されています。併演された作品には、正塚晴彦作・演出の『テンダー・グリーン』がありました。

概要

このレビューはロマンチック・レビューシリーズの第2弾です。タイトルの「アンドロジェニー」は英語で両性具有を意味し、作品はそのテーマを中心に展開します。宝塚歌劇における女性が男性を演じるという本質的な要素に焦点を当て、映画界の女優であるグレタ・ガルボやマレーネ・ディートリヒのような魅惑的な女性たちの美しさを描いています。出演する主要なスターたちは前作に引き続き、高汐巴をはじめとする花組のトップたちです。作・演出は岡田敬二が手掛け、特にこの公演では秋篠美帆が花組の娘役トップデビューを果たしました。

各章の内容

作品は6つの章からなり、各章がテーマごとに異なる魅力を持っています。

第一章　アンドロジェニー・エイジ

最初の章では、バイセクシャルの美女たちが新時代の幕開けを華々しく歌い踊ります。この章では、アンドロジェナスの魅力や、期待感に満ちたパフォーマンスが展開されます。

第二章　パッション・ダモーレ

ここでは、魅惑的なガルボと妖艶なディートリヒが競い合う展開が見受けられます。それぞれのキャラクターが持つ魅力が前面に押し出され、観客を魅了します。

第三章　ファッション・ランド

ファッションをテーマにしたこの章では、華やかな衣装や音楽に合わせて、出演者が歌とダンスを楽しみます。その時代の流行を反映した内容が描かれています。

第四章　ショパン幻想曲

この章はショパンとジョルジュ・サンドの悲しい恋の思い出を描いたもので、バレエを通じてその感情が表現されます。ショパンの名曲「別れの曲」を基にした振付が観客の心を打ちます。

第五章　スーパー・アンドロジェニー

少年クレールからの成長物語が描かれ、恋の燃え尽きた後に生まれる新たな希望と復活がテーマとなっています。成長の痛みと再生の美しさが表現されています。

第六章　麗しき乙女たち　－フィナーレ－

壮大なフィナーレを飾るこの章では、出演者全員が揃い、テーマに沿った主題歌が披露されます。観客に感動と余韻を残す重要な部分です。

出演者とスタッフ

主要キャストには、高汐巴、大浦みずき、秋篠美帆、但馬久美や安寿ミラなどが名を連ね、全国のファンに愛されました。演出は岡田敬二、作曲や編曲には吉崎憲治や高橋城、越部信義らが関わっており、振付には多くの振付師が参加しました。

エピローグ

『アンドロジェニー』は、当時の文化や価値観を反映しながら、両性具有の美しさや多様性を祝福する作品として高く評価されています。その後も宝塚歌劇団は、このようなテーマを通じて新たな表現を模索し続けています。

もう一度検索