アンポスタ

アンポスタ（Amposta）

アンポスタは、スペイン・カタルーニャ州タラゴナ県、ムンシアー郡に属する基礎自治体です。エブロ川デルタ地帯に位置し、豊かな自然環境と長い歴史を持つ地域です。

地理

アンポスタは、エブロ川デルタ地帯に位置しています。市街の東端は湿地の上に築かれており、ムンシアー郡の中心自治体として、郡内で最大の面積を誇ります。この地域は、エブロ川がもたらす肥沃な土壌と豊富な水資源に恵まれ、独特の生態系が育まれています。

歴史

アンポスタの地には、ローマ征服以前、イベリア人の一部族であるイレルカウォネス族が暮らしていました。彼らはエブロ川流域に広く分布し、この地を拠点としていました。第二次ポエニ戦争では、イレルカウォネス族はカルタゴに味方したため、ローマ軍によって町は破壊され、文化は失われました。その後、ローマに併合され、ローマ人たちはエブロ川を見下ろす高台に宿場を築き、アムニ・インポスタ（Amni Imposita）と名付けました。

アラブ人のイベリア半島支配時代には、ローマ時代の宿場と同じ場所に砦が築かれました。バルセロナ伯ラモン・バランゲー3世は、1095年と1097年の2度にわたりアンポスタ征服を試みましたが、失敗に終わりました。1149年、ラモン・バランゲー4世がアンポスタを征服し、アンポスタ城とその周囲の土地を聖ヨハネ騎士団に授けました。騎士団は、この城をアラゴン連合王国における騎士団領の中心とし、アンポスタは繁栄と重要性を増しました。『カステリャニア・デ・アンポスタ』（アンポスタの修道会領）の称号は、連合王国内での強大な権力を象徴していました。1280年には、城はアラゴン王家のものとなり、その後、城の優位性は徐々に衰えていきました。

カタルーニャ内戦時代、アンポスタはビアナ公カルロスを支持し、フェルナンド・デ・アンテケーラを新王として認めなかったため、1465年10月より城は包囲され、8ヵ月後に陥落し徹底的に破壊されました。近代に入ると、防衛設備を失ったアンポスタは、16世紀にスペインの地中海沿岸を荒らしまわっていたバルバリア海賊やトルコ海賊の襲撃を3度受けました。17世紀から19世紀にかけて、デルタの開拓や港の建設が進み、ゆっくりと経済が回復していきました。

カルリスタ戦争ではカルリスタ軍を支持し、王党派による幾度かの包囲を受けました。19世紀には、都市の拡張と人口の増加が見られ、1860年からデルタ一帯で稲作が始まりました。他にも製油所やサトウキビ栽培が行われ、20世紀初頭には人口は約4,000人に達しました。スペイン内戦期には人口の伸びは停滞し、1938年3月にはイタリア空軍による爆撃でエブロ川に架かる吊橋が破壊されました。

経済

伝統的に稲作や灌漑農業が主体でしたが、現在は産業が多様化しています。農業が依然として重要な役割を担う一方で、機械製造業も発展しています。エブロ川デルタ地帯の豊かな自然は、農業だけでなく、観光業にも貢献しており、地域経済を支える重要な要素となっています。

出身著名人

ホセ・セラ・ヒル（José Serra Gil） - 自転車競技選手
イノセンシオ・ソリアーノ・モンタグ（Inocencio Soriano Montagut） - 彫刻家

姉妹都市

サン＝ジャン＝ド＝ラ＝リュユ（フランス）

外部リンク

公式ウェブサイト

もう一度検索