アーバン号

アーバン号

アーバン号は、宮城県仙台市と岩手県盛岡市を結ぶ高速バス路線です。この路線は、かつて国鉄バスと東日本急行が共同運行していた「仙台盛岡急行線」を前身としています。ここでは、その歴史についても詳しく解説します。

運行会社

アーバン号は、以下の5社によって共同運行されています。

岩手県交通
JRバス東北
岩手県北自動車
東日本急行
宮城交通

各社が担当する便は、毎年4月1日に更新されるローテーションによって決定されます。それぞれの運行会社は、以下の特徴を持っています。

岩手県交通

岩手ナンバーまたは盛岡ナンバーの車両を使用し、矢巾営業所が担当しています。乗務員は盛岡地区の各営業所が持ち回りで担当します。仙台側の休憩場所は宮城交通仙台北営業所です。

JRバス東北

岩手ナンバーまたは盛岡ナンバーの車両を使用し、盛岡支店が担当しています。多客時には他支店の車両が応援に入ることもあります。仙台側の休憩場所はJRバス東北仙台支店ですが、単純な往復運用ではなく、他の路線と組み合わせた宿泊行路となっています。

岩手県北自動車

岩手ナンバーまたは盛岡ナンバーの車両を使用し、盛岡南営業所が担当しています。多客時には盛岡営業所や仙台宮城営業所の貸切車が応援に入ることもあります。仙台側の休憩場所は東日本急行本社営業所および岩手県北自動車仙台宮城営業所です。

東日本急行

宮城ナンバーまたは仙台ナンバーの車両を使用し、本社営業所が担当しています。盛岡側の休憩場所は岩手県北自動車盛岡南営業所です。

宮城交通

仙台ナンバーの車両を使用し、仙台北営業所が担当しています。盛岡側の休憩場所は岩手県交通矢巾営業所です。

運行経路および停車停留所

アーバン号は、以下の経路で運行しています。

（三井アウトレットパーク 仙台港 - うみの杜水族館前 - / 宮城球場 - / 仙台駅東口） - 仙台駅前（宮交仙台高速バスセンター） - 広瀬通一番町 - ＜仙台西道路 - 仙台宮城IC - 東北自動車道 - 盛岡南IC - 国道46号盛岡西バイパス＞ - ゆいとぴあ中央 - 盛岡駅西口（ - 盛岡バスセンター）

中尊寺PAで5分間の休憩があります。一部の便では、三井アウトレットパーク仙台港やうみの杜水族館前にも停車します。また、JRバス便は仙台駅東口発着、宮城球場着となっています。2023年6月21日より岩手県北バス便も仙台駅東口に乗り入れています。かつては盛岡ICで出入りしていましたが、2014年4月1日より盛岡南ICでの出入りに変更されました。

運行回数

平日：1日15往復（各社3往復）
金土日祝日（元日を除く）：1日20往復（各社4往復）

ただし、宮城交通の担当便の一部は、東日本急行が肩代わりして運行している期間があります。詳細は以下の通りです。

2013年1[[2月1日]]から2018年3月31日までと2019年4月1日以降：宮城交通の2往復を東日本急行が肩代わり
2012年1[[2月1日]]から2013年11月30日まで：宮城交通の1往復を東日本急行が肩代わり
2018年4月1日から2019年3月31日までと2024年3月1日から同年3月31日まで：宮城交通の3往復を東日本急行が肩代わり

運賃

2024年6月1日現在の運賃は以下の通りです。

大人片道：3,500円
回数券（2枚綴り）：6,500円（3ヶ月間有効）
盛岡駅 - うみの杜水族館前・三井アウトレットパーク 仙台港間：大人片道3,700円

歴史

仙台盛岡急行線時代

1968年8月1日、国鉄バスと東日本急行の2社により、仙台駅前 - 盛岡バスセンターを結ぶ「仙台盛岡急行線」の運行が開始されました。当初は10往復で、国道4号を経由して仙台 - 盛岡間の11市町村に停車していました。車両は冷房、リクライニングシート、エアサスペンションを装備したものが使用されました。

しかし、1976年2月1日に東日本急行が中尊寺 - 盛岡バスセンター間の運行を休止し、同年4月1日に正式に廃止しました。仙台 - 盛岡間の直通便は国鉄バスの2往復のみとなりました。1979年には国鉄バスも一ノ関駅 - 盛岡バスセンター間を廃止し、仙台盛岡急行線は仙台駅前 - 一ノ関駅前間の運行となり、仙台 - 盛岡間の直通バスは一旦途絶えました。

アーバン号時代

1989年9月21日、岩手県交通、JRバス東北、東日本急行、宮城交通の4社共同で、10年ぶりに仙台 - 盛岡間の直通バス「アーバン号」の運行が開始されました。1日4往復で、仙台市内は県庁市役所前、泉ICを経由しました。1985年3月に廃止された国鉄東北本線の快速列車「くりこま」の代替として、安価に仙台と盛岡を結ぶ交通機関として人気を博しました。

1990年9月22日には、岩手県北バスが参入し、1日9往復に増便されました。経路も仙台宮城IC経由に変更され、仙台市内の県庁市役所前バス停が廃止され、広瀬通一番町バス停が新設されました。

その後、1995年7月1日に1日14往復に増便され、2000年4月1日に盛岡駅前の停留所が旭橋から盛岡駅西口に変更されました。

2000年1[[2月1日]]には、平日15往復、土日祝20往復に増便され、往復乗車券の発売が開始されました。2002年には土日祝日運行便が金土日祝日運行に変更されました。

2009年から2010年にかけては、運行開始20周年を記念して、期間限定で日帰り往復割引切符が発売されました。2010年10月4日から11月30日には、月曜～木曜の日帰り利用に限り有効な「月～木 日帰り往復きっぷ」が発売されました。

2011年3月16日には、東日本大震災の影響で運休していた各社1往復ずつの運行が再開されました。同年4月1日には通常の運行回数に戻り、4月29日には広瀬通一番町と盛岡バスセンターでの客扱いが再開されました。

2012年3月1日には、2枚綴り回数券が発売され、往復乗車券の発売が終了しました。同年1[[2月1日]]には宮城交通担当便のうち1往復が東日本急行の運行に変更されました。2013年12月20日には運賃が改定され、2014年4月1日には盛岡側の高速出入り口が盛岡南ICに変更されました。

2016年8月1日には盛岡側の起終点が盛岡駅西口に変更され、盛岡バスセンターへの乗り入れが終了しました。2017年4月1日には、岩手県北バス担当便のうち2往復が三井アウトレットパーク仙台港まで延長されました。

2018年1月9日には岩手県北バス担当の全便で、車内Wi-Fiサービス「MICHINORI Free Wi-Fi」が開始され、同年1[[1月1日]]には岩手県交通担当の一部便で車内Wi-Fiサービス「Kokusai-Tohoku_Free_Wifi」が開始されました。

2019年6月21日には運賃が改定され、2020年4月17日からは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、金曜・土曜・日曜・祝日運行便が運休となりました。その後、運休と再開を繰り返しましたが、2021年2月14日には福島県沖地震の影響で東北新幹線が不通になったため、臨時便が運行されました。

2022年4月1日には、ICカードの利用が可能になり、運賃が改定されました。同年10月5日には、一部便が盛岡バスセンターへの乗り入れを再開しました。2023年6月1日には、全便がゆいとぴあ中央バス停に停車し、岩手県北自動車担当便が仙台駅東口に乗り入れを開始しました。2024年6月1日には、運賃が改定され、JRバス東北便の宮城球場乗り入れが毎日運行に変更されました。

使用車両

アーバン号は、ハイデッカー4列シート車で運行されています。運行開始当初は各社専用車を充当していましたが、現在は他路線と共通仕様の車両が使用されています。

利用状況

2007年度の利用状況は、関連資料を参照してください。

その他

2009年～2010年にかけて、運行開始20周年を記念した日帰り往復割引切符が発売されました。

2009年6月1日～6月30日：60歳以上限定、期間中の月曜～木曜の日帰り利用で往復3,000円
2009年7月21日～7月31日：中高生限定、期間中の月曜～金曜の日帰り利用で往復3,000円
2010年1月20日～2月28日：60歳以上限定、期間中（全日）の日帰り利用で往復3,000円

外部リンク

岩手県交通 アーバン号(盛岡←→仙台)
岩手県北自動車 盛岡 ⇔ 仙台（アーバン号）
JRバス東北
東日本急行 仙台駅前-盛岡バスセンター線
* 宮城交通 盛岡－仙台（アーバン号）

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