アームストロング・シドレー モングース

アームストロング・シドレー モングース

アームストロング・シドレー モングース（Armstrong Siddeley Mongoose）は、イギリスで第二次世界大戦前に開発された航空機用の空冷星型エンジンです。特に小型機への搭載を目的として設計され、1926年に完成しました。このエンジンは、5気筒のレイアウトとバルブ駆動方式（OHV）を特徴としており、優れた性能を発揮しました。

概要

モングースは、このエンジンが搭載された航空機としてアブロ 504N、ホーカー トムティット、パーナル ペトなどがあります。日本では、三菱内燃機製造がこのエンジンのライセンス生産権を取得し、1927年から「モングース式一三〇馬力発動機」として製造が始まりました。日本国内でも広く使用され、その性能が評価されました。

派生型

モングースにはいくつかの派生型が存在し、主に以下のような種類があります。

• - モングース I：1926年に開発、出力は135 hp。
• - モングース II：1930年に登場し、出力は155 hp。
• - モングース III：1929年に登場。
• - モングース IIIA：1929年、民間機用に設計。
• - モングース IIIC：1929年に開発され、民間型IIIAをベースにした軍用機用。

諸元

モングース Iの具体的なスペックは以下の通りです。

• - 形式：空冷星型5気筒
• - 筒径×行程：127 mm×139.7 mm
• - 排気量：8.9 L
• - 圧縮比：5.1
• - 出力：138 hp / 1,750 rpm
• - 全長：929.6 mm
• - 直径：1,158 mm
• - 乾燥重量：154 kg
• - 燃料供給方式：気化器式

これらのスペックは、当時の航空機において高い水準を誇っていました。

搭載機

モングースエンジンは、以下のような機体に搭載されました。

• - アブロ 504N、R
• - アブロ チューター
• - アブロ 621
• - ハンドレページ ハムレット
• - ハンドレページ Gugnunc
• - ホーカー トムティット
• - パーナル ペト
• - 三式陸上初歩練習機
• - 九一式水上偵察機

モングースエンジンは、これらの機体において信頼性が高く、操縦性に優れた性能を引き出しました。

まとめ

アームストロング・シドレー モングースは、独特な設計と高性能から多くの航空機で使われました。エンジンの開発と製造に関しては、イギリスの航空機産業における歴史的な進展を示す一例であり、さらにはその技術が日本の航空機産業にも影響を与えました。モングースシリーズは、当時の航空機エンジン業界において重要な役割を果たしたことは間違いありません。

もう一度検索