イアン・ケネディ

イアン・ケネディ：メジャーリーグを駆け抜けた右腕投手の軌跡

イアン・パトリック・ケネディは、1984年12月19日、アメリカ合衆国カリフォルニア州ハンティントンビーチ生まれの元プロ野球選手（投手）です。右投げ右打ちで、メジャーリーグベースボール（MLB）で16シーズンに渡り活躍しました。

プロ入り前とヤンキース時代

2003年のMLBドラフトではセントルイス・カージナルスから14巡目で指名を受けましたが、契約せず南カリフォルニア大学に進学。2006年のMLBドラフトではニューヨーク・ヤンキースから1巡目（全体21位）で指名され、プロ入りを果たしました。

ヤンキース傘下では、マイナーリーグで着実に実績を積み重ね、2007年にはメジャーデビュー。タンパベイ・デビルレイズ戦で7回3失点（自責点1）の好投を見せ、メジャー初勝利を挙げました。しかし、その後は故障に悩まされ、思うような活躍ができませんでした。

ダイヤモンドバックス時代：最多勝の栄光

2009年12月、複雑な三角トレードでアリゾナ・ダイヤモンドバックスに移籍。2010年には先発ローテーションの一角としてフルシーズンを戦い、9勝10敗、防御率3.80とまずまずの成績を残しました。しかし、真価を発揮したのは2011年です。この年、21勝を挙げてクレイトン・カーショウと並んでナショナルリーグ最多勝利のタイトルを獲得。チームのプレーオフ進出に大きく貢献しました。2013年には、ドジャース戦で乱闘騒ぎを起こし、出場停止処分を受けるなど、波乱もあったシーズンでした。

パドレス、ロイヤルズ、そして様々なチームでの活躍

2013年、ダイヤモンドバックスからサンディエゴ・パドレスへトレード移籍。パドレスでは安定した成績を残し、2014年と2015年には複数年契約を結びました。その後、カンザスシティ・ロイヤルズと大型契約を結びましたが、怪我や不振に苦しむシーズンもありました。2019年からはリリーフに転向し、クローザーとして30セーブを記録するなど、持ち前の投球術で活躍を見せました。

晩年の活躍と引退

その後もテキサス・レンジャーズ、フィラデルフィア・フィリーズ、再びダイヤモンドバックスと移籍を繰り返しながら、2021年にはレンジャーズでメジャー契約を結び、活躍を続けました。2023年シーズンには再びレンジャーズに所属し、シーズン終了後に現役引退を表明しました。

投球スタイルと人物像

ケネディはスリークォーターから平均91～92mph（約146～148km/h）の速球を武器に、カーブ、カッター、チェンジアップなどを駆使する投手でした。リリーフ時には自己最速97mph（約156km/h）を記録しています。チェンジアップが決め球でした。

私生活では、大学時代のバスケットボール選手の妻アリソンと結婚しています。2007年には、ポストシーズンと結婚式の日程が重なる可能性がありましたが、ケネディの怪我によりポストシーズン出場が叶わず、予定通り結婚式を挙げる事ができました。

ケネディが残した足跡

イアン・ケネディは、メジャーリーグで長く活躍したベテラン投手です。数々のチームを渡り歩きながらも、常に高いレベルで戦い続け、数々の勝利をチームにもたらしました。最多勝のタイトル獲得は、彼のキャリアの大きなハイライトと言えるでしょう。ケネディの現役生活は幕を閉じましたが、彼のMLBでの活躍は、多くのファンに長く記憶されることでしょう。 彼の豊富な経験と高い投球技術は、多くの若手投手たちのロールモデルとなるでしょう。 彼のMLBでの功績は、野球史にしっかりと刻まれています。

もう一度検索