イオニア七島連邦国

イオニア七島連邦国について

イオニア七島連邦国（Ἑπτάνησος Πολιτεία）は、17世紀の終わりから19世紀初頭にかけて、ギリシャのイオニア諸島に存在した自治国家です。この国家は、オスマン帝国の宗主権のもとでロシアの保護を受け、また一時はフランスの支配下にも置かれました。構成する島々は、ケルキラ島、パクシ島、レフカダ島、イタキ島、ケファロニア島、ザキントス島、ストロファデス島の7つです。

歴史的背景

1770年、ペロポネソス半島で発生したギリシャ人の蜂起が、イオニア諸島の政治情勢にも大きな影響を与えました。この蜂起は、ロシアのエカテリーナ2世の南下政策に触発されたものであり、独立の気運が高まるきっかけとなりました。その後、オスマン帝国の影響力が相対的に弱まり、1774年のキチュク・カイナルジャ条約によるロシアの保護下で、ギリシャ商人の活動が活発化しました。

昨県、フランス革命の後、フランスの影響力が強まる中、イオニア諸島はヴェネツィアの領有からフランスの直接支配へと移行しました。この動きは、いったんはナポレオンによる支配が確立され、結果的にバルカン半島における勢力図を複雑にしました。

連邦国の成立

1800年、トルコとロシアの共同管理下のイオニア諸島は、コンスタンティノポリスでの条約により自治権を獲得し、イオニア七島連邦国が成立しました。ケルキラ島は連邦国の行政中心となり、憲法、国旗、外交権といった権利が付与されましたが、トルコへの貢納も義務付けられました。この憲法はフランス革命の影響を受けており、自由主義的な内容でしたが、ロシア皇帝からの圧力により一部修正されることとなります。

政治的には、ケルキラ島の名望家であるカポディストリアス家が重要な役割を果たしました。その一環として、1803年に評議会に参加したのが、後にギリシャ初代大統領となるイオアニス・カポディストリアスです。

消滅とその後

しかし、1807年にロシアとフランス間で結ばれたティルジットの和約により、イオニア諸島は再びフランスの支配に戻ります。在任中、カポディストリアスは多くのクレフテスと交流を持ち、ギリシャ独立戦争へとつながる啓蒙を受けることとなります。1815年にはイギリスの支配下に入り、イオニア諸島合衆国として再編成されましたが、ギリシャ領となるのは1864年のことです。

重要性

短期間で終わったが、このイオニア七島連邦国の成立は、ギリシャ人にとって数世紀ぶりの自らの統治を経験させる重要な出来事でした。連邦国の政権は多くの制約を受けつつも、次第にギリシャ独立への意欲を喚起させました。特にカポディストリアスは、この連邦国での経験を通じてギリシャの独立を志すようになったと言われています。このように、イオニア七島連邦国は、その短い存在の中でギリシャの歴史に多大な影響を与えたのです。

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