イシャーウッド (DD-520)

イシャーウッド (Isherwood, DD-520)

イシャーウッドはアメリカ海軍の駆逐艦で、フレッチャー級駆逐艦の一隻です。この艦は、ベンジャミン・F・イシャーウッド少将の名前に由来しています。イシャーウッドは、艦名が付けられた艦としては2隻目になります。

艦歴

イシャーウッドは1942年11月24日にニューヨーク州スタテンアイランドのベスレヘム造船所で起工しました。1943年4月12日に艦は就役し、試運転がメイン州カスコ湾とキューバのグアンタナモ湾沖で行われました。その後、ニューファンドランドで哨戒および護衛任務を遂行し、1943年8月には「クイーン・メリー」とともにイギリスへ向かいました。スカパ・フローで英国艦隊と合流し、ドイツ艦「ティルピッツ」の捜索に向けてスヴァールバル諸島を哨戒しました。

1943年9月14日、イシャーウッドはイギリスを離れ、アメリカに帰還しました。太平洋への任務に従事することが決まり、11月14日にボストンを出港しました。サンフランシスコ経由で真珠湾へ向かい、アリューシャン列島で第94任務部隊と共に対潜掃海作戦を行いました。1944年6月には千島列島への砲撃に参加し、その後整備のためサンフランシスコに戻りました。

フィリピン侵攻

1944年8月26日、イシャーウッドはフィリピン侵攻作戦に参加するため真珠湾を出発しました。10月4日にマヌス島に到着し、10月20日にはレイテ湾にて突撃部隊と共に上陸しました。作戦の初期段階では護衛と哨戒任務を実施し、砲撃支援や夜間の照明射撃も行いました。レイテ沖海戦には10月23日から26日まで参加し、その後フィリピンへの輸送船団を護衛しました。

リンガエン湾上陸作戦では、セオドア・S・ウィルキンソン提督の部隊と合流し、攻撃を受けながらも任務を遂行しました。イシャーウッドは特攻機との遭遇もあり、上陸時には揚陸艇の監視を担当しました。1945年1月11日に帰還し、その後もフィリピンでの護衛や哨戒任務を続けました。

沖縄侵攻

1945年3月21日、イシャーウッドは沖縄戦に向けて出港し、慶良間諸島への上陸作戦に参加しました。この作戦は太平洋戦争最大の陸海共同作戦の一つであり、艦は主に火力支援任務を担いました。特に、伊江島沖で被災した駆逐艦「プリングル」と「ラフィー」を支援するために派遣されました。4月16日には「ラフィー」の任務を引き継ぎ、レーダーピケット任務に従事しました。

その後、日本の特攻機による攻撃を受け、4月22日の夕方には特攻機が艦に突入しました。この激しい攻撃により大きな損害が発生し、80名以上の死傷者が出ました。「イシャーウッド」は戦功により5個の従軍星章を受章しました。

終戦後

イシャーウッドは修理のためウルシー環礁を経由し、1945年6月3日にサンフランシスコに入港しました。太平洋戦争の終結時にはオーバーホールを終え、訓練演習後にニューヨークに向かいました。1946年2月1日に退役し、大西洋予備艦隊に編入されましたが、1951年に再就役し、カリブ海での訓練後、ニューポート海軍基地に入港しました。

1952年には第6艦隊と共に地中海巡航に出港し、数多くの港を訪問する平和維持活動に従事しました。1961年9月11日に再び退役し、翌月にはペルーへ貸与され「アルミランテ・ギース」と改名されました。その後、1981年にスクラップとして解体されました。

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