イシュタル門

イシュタル門

イシュタル門は、古代バビロニアの首都バビロンの北側に位置する、壮大な門です。紀元前575年頃、新バビロニア王国のネブカドネザル2世によって建設されました。この門は、バビロンの守護女神であるイシュタルに捧げられ、その名前が付けられました。

構造と装飾

イシュタル門は、その壮麗さと精巧な装飾で知られています。門は青い釉薬をかけたレンガで造られており、その表面には、神話上の生き物や動物の浅浮き彫りが施されています。特に有名なのは、バビロンの守護神である女神イシュタル、そして神話上のドラゴンであるムシュフシュ、さらには雄牛であるオーロックスのレリーフです。これらのレリーフは、門の美しさを際立たせ、古代バビロニアの高度な芸術性を物語っています。

歴史

イシュタル門は、かつて世界の七不思議の一つに数えられていましたが、後にアレクサンドリアの大灯台にその座を譲りました。19世紀から20世紀初頭にかけて、バビロン遺跡の発掘調査が行われ、イシュタル門のレンガや装飾の一部が発見されました。これらの発見に基づいて、ドイツのベルリンにあるペルガモン博物館では、イシュタル門の壮大な復元が行われました。現在、ペルガモン博物館に展示されている復元されたイシュタル門は、その美しさと精巧さで、多くの人々を魅了しています。

バビロンの遺跡にも、イシュタル門と一部モザイクのレプリカが建設されましたが、残念ながらイラク戦争の際に被害を受けました。このことは、古代の貴重な文化遺産が、現代の紛争によって危機にさらされる可能性を示しています。

現代におけるイシュタル門

イシュタル門は、古代バビロニアの歴史と文化を象徴する重要な遺産です。その復元された姿は、世界中の人々にとって、古代文明の壮大さを体験する機会となっています。また、イシュタル門は、古代の建築技術や芸術的才能を示す証拠であり、歴史研究においても重要な役割を果たしています。

イシュタル門の保存と研究は、古代の遺産を未来に引き継ぐための重要な活動です。この門を通して、古代バビロニアの文化と歴史に対する理解を深めることができるでしょう。今後も、イシュタル門の歴史と文化的な価値が、より多くの人々に理解されることを願っています。

外部リンク: Pictures of lion & dragon at the Röhsska museum, Gothenburg

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