イスカンダル・プテリ

イスカンダル・プトゥリは、マレーシアのジョホール州に位置する、ジョホールバル地区を代表する都市です。マレー半島の南端、ジョホール海峡に面しており、ユーラシア大陸の最南端に位置する都市の一つでもあります。ジョホールバル、パシルグダンと隣接し、３都市で形成される都市圏は、マレーシアで３番目に大きな規模を誇ります。

歴史

かつてこの地は「スンピットプトゥリ」（狭い王女）と呼ばれた漁村でした。1855年、ジョホール王国の首都がタンジュン・プトゥリに移され、イスカンダル・プトゥリと改名されました。後にジョホールバルと再改名されますが、2016年に再びイスカンダル・プトゥリの名が復活しました。

1990年代には、マレーシアとシンガポールを結ぶ第二の橋の建設が計画され、その周辺地域は「ヌサジャヤ」として開発が進められました。ヌサジャヤは、ジョホールの元州知事ムヒディン・ヤシンによって命名されました。2016年、ヌサジャヤは現在のジョホール国王であるスルタン・イブラヒムによって、かつての名称であるイスカンダル・プトゥリに改名されました。

行政

イスカンダル・プトゥリは、ジョホール州で2番目の都市であり、マレーシア全体では14番目の都市です。市議会によって管理され、ジョホール州政府の行政の中心地であるコタ・イスカンダルがあります。市議会は、2017年11月22日にジョホールバルトゥンァ市議会から改称されました。

選挙区としては、４つの議会と８つの州選挙区に分割されており、各選挙区から代表が選出されています。

行政区画

イスカンダル・プトゥリは、以下の11の管理ゾーンで構成されています。

イスカンダル・プトゥリ
プライ
タマン大学
タマンインピアンウマス
タマン・ムティアラ・リニ
タマンウンクトゥンアミナ
バンダーウダウタマ
タマンブキッインダ
グラン・パタ
レジャーファーム
* タンジュンクパン

人口統計

2010年の国勢調査によると、イスカンダル・プトゥリの人口は515,462人であり、マレーシアで７番目に人口の多い都市圏です。

教育

市内には、約2.4平方キロメートルの広さを持つ「エデュシティ」と呼ばれる教育エリアがあり、サウサンプトン大学マレーシアキャンパス、ニューカッスル大学医学マレーシア、レディング大学などの海外大学の分校や、地元の大学やインターナショナルスクールが集まっています。

観光

ジョホール海峡沿いのプテリハーバーは、マリーナ開発が盛んで、サンリオハローキティタウンやトーマスタウンといったテーマパークもあります。また、レゴランド・マレーシアは、テーマパーク、ウォーターパーク、ホテルなどを擁する複合施設であり、観光客に人気です。その他にも、複数のショッピングモールがあります。

2019年には、新たなマリーナ開発や、スポーツ施設も整備され、観光都市としての魅力を高めています。

イスカンダルプテリレジデンス

イスカンダルプテリには、様々な住宅エリアが存在しています。Gerbang Nusajaya 、Casa Almyra、Nusa Sentral、Taman Universitiなど、多岐にわたる住宅地が開発されています。

交通機関

海運

イスカンダル・プトゥリの西側には、マレーシア最大のコンテナ港であるタンジュンペレパス港があります。また、プトゥリハーバー国際フェリーターミナルからは、インドネシアの都市へのフェリーが運航しています。

鉄道

計画中のクアラルンプール-シンガポール高速鉄道も、将来的にグルバンヌサジャヤ地区に停車する予定でした。しかし、2021年にプロジェクトは完全に終了しました。

道路

市内には、ジョホールバル市を結ぶイスカンダル沿岸高速道路やパシルグダン高速道路、ポンティアン地区を結ぶタンジュンクパン道路が整備されています。また、セカンドリンクエクスプレスウェイと南北高速道路によって、マレーシア半島の他の都市や州とも繋がっています。マレーシアとシンガポールを結ぶセカンドリンクは、1998年に開通し、ジョホール・シンガポールコーズウェイの交通渋滞の緩和に貢献しています。

イスカンダル・プトゥリは、その歴史と地理的な重要性から、マレーシア南部の発展を牽引する都市として、今後も成長が期待されています。

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