イネ目

イネ目（Poales）について

イネ目とは、単子葉植物に分類される植物群の一つです。この分類には、グラミナレス（Graminales）等の他の名称も存在しますが、現在ではほとんど使われていません。イネ目には多くの科が含まれており、それぞれが多様な種を持っています。ここではイネ目の特徴、分類、系統関係について詳しく述べます。

分類

APG（Angiosperm Phylogeny Group）による分類体系では、イネ目は階級を持たない単子葉植物、特にツユクサ類（commelinids）に属します。この分類に基づくと、以下の科がイネ目に属します。

• - ガマ科 (Typhaceae): ミクリ科（Sparganiaceae）を含む。ガマ属とミクリ属の2属で、約40種が存在します。
• - パイナップル科 (Bromeliaceae): 57属、1770種。
• - ラパテア科 (Rapateaceae): 16属、94種。
• - トウエンソウ科 (Xyridaceae): 5属、260種。
• - ホシクサ科 (Eriocaulaceae): 10属、1160種。
• - マヤカ科 (Mayacaceae): 1属、4種。
• - トゥルニア科 (Thurniaceae): 2属、4種。
• - イグサ科 (Juncaceae): 7属、430種。
• - カヤツリグサ科: 詳細不明。
• - サンアソウ科 (Restionaceae): 51属、572種 （APG IV改訂後より、旧アナルトリア科・旧カツマダソウ科を含む）。
• - トウツルモドキ科 (Flagellariaceae): 1属、4種。
• - ジョインビレア科 (Joinvilleaceae): 1属、2種。
• - エクデイオコレア科 (Ecdeiocoleaceae): 2属、3種。
• - イネ科 (Poaceae): 668属、11163種。

系統関係

上記の各科は、系統的な関係性があり、これに基づいて分類されています。例えば、ガマ科は水辺に生息する植物が多く、イネ科は穀物としての重要性を持っています。各科の植物は、環境や生態系に多様な影響を与える存在です。

歴史的な分類体系

イネ目に関する以前の分類体系には、次のようなものがあります。これらは現在の学術的な基準から外れている場合もありますが、一部は依然として用いられています。

• - Graminales: 1964年の新エングラー体系で使用され、イネ科（Gramineae）のみを含む名です。
• - Glumiflorae: 1935年のヴェットシュタイン体系において、イネ科のみを含む名称です。また、頴花目とも訳されています。
• - Glumaceae: 1883年のベンサム＆フッカー体系で、イネ科を含む5科に言及されています。

クロンキスト体系

1988年に提唱されたクロンキスト体系にはイネ目が含まれていませんが、APGに分類される科は、以下のように異なる目に分かれています。

• - パイナップル目 (Bromeliales)
• - カヤツリグサ目 (Cyperales)
• - ヒダテラ目 (Hydatellales)
• - イグサ目 (Juncales)
• - サンアソウ目 (Restionales)
• - ガマ目 (Typhales)

このように、イネ目は多くの科から成り立ち、それぞれが独自の系統を形成しています。これらの知見は、植物分類学や生態学において重要な資料となっています。

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