イミグルセラーゼ

イミグルセラーゼ（Imiglucerase）とは

イミグルセラーゼは、遺伝子組み換え技術を用いて製造された、グルコセレブロシダーゼの改良型酵素製剤です。主にゴーシェ病の治療に用いられ、点滴投与によって症状の改善を目的とします。

対象となる症状

ゴーシェ病は、体内の特定の酵素の働きが低下することで、様々な症状を引き起こす遺伝性疾患です。イミグルセラーゼは、以下の症状の改善に効果が期待されます。

貧血
血小板減少症
肝臓や脾臓の肥大（肝脾腫）
骨症状

商品名と開発・製造元

イミグルセラーゼは、商品名「セレザイム」として知られています。開発・製造は、ジェンザイム社（現在はサノフィ傘下）によって行われています。

薬価と公費負担

セレザイムは非常に高価な薬剤であり、2023年現在、「セレザイム静注用400単位」の薬価は1瓶あたり268,846円です。しかし、2001年に特定疾患治療研究事業の対象となり、ゴーシェ病患者は公費負担で治療を受けることが可能です。

セレデースからセレザイムへ

以前は、胎盤から抽出した成分を基に製造された「セレデース」という薬が使用されていました。しかし、セレデースには、エイズなどの感染症のリスクがありました。そのため、DNA組換え技術を用いて製造された「セレザイム」が開発されました。セレザイムの登場により、感染症のリスクが大幅に低減し、セレデースの製造・投与は中止されました。

製造方法

セレザイムは、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて産生されたヒトβ-グルコセレブロシダーゼを基に作られています。さらに、糖鎖を修飾し、マンノース末端にすることで、標的細胞であるマクロファージに効率よく取り込まれるように設計されています。

副作用

イミグルセラーゼの投与によって、以下のような副作用が現れることがあります。

瘙痒感
潮紅
じんま疹
血管浮腫
胸部不快感
呼吸器症状

これらの症状に、低血圧を伴うこともあります。副作用が現れた場合は、医師に相談することが重要です。

外部リンク

* セレザイム(R) - ジェンザイムによる製品情報ページ（医療関係者向け）

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