イリノイ (BB-7)

USSイリノイ(BB-7)について

USSイリノイ(BB-7)は、アメリカ海軍が建造したイリノイ級戦艦の1番艦です。艦名はイリノイ州に由来し、同名の艦としては2隻目となります。

艦歴

1897年2月10日、バージニア州のニューポート・ニューズ造船所で起工しました。1898年10月4日にはナンシー・レイターによって命名・進水し、1901年9月16日に初代艦長ジョージ・A・コンバース大佐の指揮下で就役しました。

就役後、チェサピーク湾での調整と訓練を経て、1901年11月20日にルイジアナ州アルジャースへ向かい、新造された浮き乾ドックの試験に使用されました。1902年1月にはニューポート・ニューズに戻り、2月15日から2月28日までR・D・エヴァンズ少将の旗艦を務め、その間にはプロイセン王国の皇太子ハインリヒの歓迎式典に参加しました。その後、アレント・S・クラウニンシールド少将が座乗し、1902年4月30日にニューヨークを出航、5月18日にナポリに到着しました。ここでクラウニンシールド少将はヨーロッパ艦隊の指揮を執りました。

イリノイは訓練や各種記念式典に参加する中、1902年7月14日にノルウェーのクリスチャニアで座礁。修理のためにイギリスへ戻らざるを得ませんでした。1902年9月1日までチャタムに滞在し、その後は地中海と南大西洋での艦隊演習に参加しました。

1903年1月10日、イリノイはヨーロッパ艦隊から北大西洋艦隊に配置転換されました。その後は艦隊演習、砲術・航海訓練、各種式典に参加し、1907年12月にはグレート・ホワイト・フリートに合流し、世界巡航に参加しました。セオドア・ルーズベルト大統領による観閲後、大艦隊はハンプトンローズから歴史的な巡航へと出発しました。大西洋艦隊は1908年5月8日にサンフランシスコ湾で太平洋艦隊と合流しました。海軍長官による観閲後、連合艦隊は巡航を続け、オーストラリア、日本、セイロン島などを訪問し、1909年1月3日にスエズに到着しました。

シチリアで地震が発生した際には、イリノイはコネチカット(USS Connecticut, BB-18)やカルゴア(USS Culoga, AF-3)と共にメッシーナへ向かい、被災者支援活動を行いました。1909年2月22日にはハンプトンローズに帰還し、艦隊と再合流しました。艦隊の帰還後、ルーズベルト大統領が観閲を行い、アメリカ海軍の威容を世界に示しました。

イリノイは1909年8月4日にマサチューセッツ州ボストンで退役しました。

その後の活動

1912年4月15日には予備役艦隊として保管されましたが、同年11月2日に再就役し、大西洋艦隊での冬季艦隊演習や戦闘演習に参加しました。1913年と1914年の夏には、海軍兵学校の士官候補生を乗せてヨーロッパへの訓練航海を行いました。1919年にはフィラデルフィア海軍造船所に入り、その後1921年10月23日には海軍民兵の訓練用としてニューヨーク州に貸し出されました。

ワシントン海軍軍縮条約の結果、イリノイは削減対象となり、1924年にニューヨーク海軍工廠の兵器庫として使用されることになり、ニューヨーク予備役艦隊に配属されました。その後30年以上にわたり同所に係留され、1941年1月8日には IX-15 と船体番号が変更され、艦名もプレーリー・ステート(USS Prairie State, IX-15)へと変更されました。

第二次世界大戦中は、プレーリー・ステートはニューヨークで海軍予備役兵の訓練学校として利用され、戦後は予備役部隊用の宿舎として1956年12月31日までニューヨーク州に貸し出されました。

50年以上に及ぶ任務を終えた後、プレーリー・ステートはメリーランド州ボルティモアに牽引され、1956年5月18日にベスレヘム・スチール社にスクラップとして売却されました。

外部リンク

ウィキメディア・コモンズ - イリノイ (BB-7)関連のメディア)
NAVAL HISTORICAL CENTER - USS Illinois (Battleship # 7, later BB-7), 1901-1956. Later renamed Prairie State and designated IX-15
Maritimequest - USS Illinois BB-7 Photo Gallery
NavSource Online - Battleship Photo Archive BB-7 USS ILLINOIS 1898 - 1905

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