イリヤシュ:サラエヴォ郊外の自治体
イリヤシュ(
ボスニア語: Ilijaš、
クロアチア語: Ilijaš、
セルビア語: Илијаш)は、
ボスニア・ヘルツェゴビナに位置する自治体です。首都
サラエヴォの郊外にあり、
ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の
サラエヴォ県に属しています。
人口動態
イリヤシュの人口構成は、ユーゴスラビア時代から大きく変化してきました。
1971年
1971年の国勢調査では、自治体の人口は23,007人でした。民族別の内訳は以下の通りです。
セルビア人 - 10,941人(47.55%)
ムスリム人 - 9,187人(39.93%)
クロアチア人 - 2,172人(9.44%)
ユーゴスラビア人 - 400人(1.73%)
その他 - 307人(1.35%)
1991年
1991年の国勢調査では、自治体の人口は25,184人でした。民族別の内訳は以下の通りです。
セルビア人 - 11,325人(44.96%)
ムスリム人 - 10,585人(42.03%)
クロアチア人 - 1,736人(6.89%)
ユーゴスラビア人 - 1,167人(4.63%)
その他 - 371人(1.47%)
ユーゴスラビア時代に「ムスリム人」と呼ばれていた人々は、1991年以降、
ボスニア・ヘルツェゴビナでは「
ボシュニャク人」と呼ばれるようになりました。
2002年
2002年の推計によると、自治体の人口は15,277人でした。民族別では、
ボシュニャク人が13,401人(87.8%)と圧倒的多数を占め、次いで
セルビア人が1,072人(7%)、
クロアチア人が644人(4.2%)、その他が160人(1%)となっています。
2005年
2005年の推計では、自治体の人口の89%は
ボシュニャク人であるとされています。
集落
イリヤシュ自治体は、中心となる町とその周辺地区に大きく分けられます。中心地区は都市化が進んでおり、約1万人が暮らしています。郊外のミソチャ地区は約1千5百人が暮らす、自治体で2番目に規模の大きい地区です。ミソチャ地区の住民の内訳は、
ボシュニャク人が約1千3百人、
セルビア人が250人、
クロアチア人が50人となっています。その他、ポドルゴヴィ、リェシェヴォ、スタリ・イリヤシュ、マレシチなどの地区があります。
イリヤシュは、
サラエヴォ近郊の多様な文化と歴史を持つ地域社会です。時代の変遷とともに人口構成が変化してきた背景を理解することで、より深くイリヤシュという地域を知ることができます。