インターネット総合研究所

株式会社インターネット総合研究所（IRI）

株式会社インターネット総合研究所（Internet Research Institute, Inc.、以下IRI）は、日本のインターネット関連企業です。コンサルタント事業と企業のインキュベートを主な事業としています。

概要

IRIは、インターネット黎明期から日本のインターネットを支える重要な役割を担ってきました。日本初の商用インターネットエクスチェンジであるJPIXの構築に携わるなど、設立当初からその存在感を示していました。また、NOEL (Network Operational Engineering Laboratory) やIPv6網の構築など、WIDEプロジェクトとも密接な関係を築いています。

1999年12月22日には、リキッド・オーディオ・ジャパン（現ニューディール）と共に、東証マザーズ市場に第一号企業として上場を果たしました。しかし、2007年6月24日、後述するIXI問題の影響により上場廃止となりました。同年11月には、上場廃止に伴う支援としてオリックス株式会社の完全子会社となりましたが、その後も経営規模の縮小が続きました。2011年3月、オリックスは保有するIRIの株式を同社の代表者に譲渡しています。

IXI問題

2007年4月1日、IRIはSBIホールディングスの完全子会社となる予定でしたが、子会社のアイ・エックス・アイ（IXI）が監理ポストに割り当てられたことを理由に、2007年1月4日付でその合意は白紙撤回されました。IXIはその後、2007年1月21日に民事再生法に基づく会社再生手続きを申請し、同年2月22日には東証二部の上場が廃止されました。

IRIは、保有するIXIの全株式をHS証券の関連会社であるOSC企業再生株式会社に譲渡することで関係を清算する意向を示し、2007年3月5日にはIXI株の一部を譲渡、関連子会社から持分法適用関連会社に移行しました。残りの株式もIXI側の株券印刷が完了次第、譲渡される予定でした。

IXIの問題に絡み、IRI全体の連結決算の数値が確定できなかったため、東京証券取引所は2007年6月24日付でIRIを上場廃止とすることを決定しました。IRIはこの決定に対し、IXIが循環取引を行っていることを知りながらTOBに応じたとして、2007年9月20日に当時のIXIの親会社であった株式会社シーエーシー（現・CAC Holdings）、IXIの監査法人であった新日本監査法人、元IXIの取締役2名（うち1名はCACからの派遣）、そして監査役に対して損害賠償請求の訴訟を提起しました。

CACは循環取引への関与を否定し争う姿勢を見せましたが、最終的にはCACがIRIに和解金を支払うことで和解が成立しました（2011年6月20日発表）。これに続き、同月29日には新日本監査法人との和解が成立しました。さらに同月30日には、東京証券取引所を相手方として、上場契約上の債務不履行を理由に、上場廃止によって被った損害の賠償を求める訴訟を提起しました。

沿革

1996年12月 - 株式会社インターネット総合研究所を設立。（旧）
1997年7月 - KDD（現・KDDI）と共に日本インターネットエクスチェンジ株式会社の設立に参画。
1997年9月 - IRIテクノロジー（現・株式会社インフィニコ）を設立。
1998年7月 - ヤフー、キヤノン、住友商事、NTT移動通信網（現・NTTドコモ）、ソフトバンクと資本業務提携（～1999年6月）。
1999年11月 - エヌ・ティ・ティ移動通信網（現・NTTドコモ）などと共同でモバイル・インターネットキャピタルを設立。
1999年12月22日 - 日本電話施設（現・NDS）及びファストネット（現・キヤノンITソリューションズ）と合弁で株式会社インターネット・シーアンドオー（後のIRIコミュニケーションズ）を設立。
1999年12月22日 - 東証マザーズに第一号銘柄として上場
(中略)
2017年11月20日 - 株式会社IRIに三角合併方式にて吸収合併され解散。（旧）
2017年10月5日 - 株式会社IRIを設立。（新）
2017年11月20日 - 株式会社インターネット総合研究所を吸収合併し、商号を株式会社インターネット総合研究所に変更。
(中略)

関連会社

株式会社ナノオプト・メディア（子会社）
株式会社ナノスタイル（持分法適用関連会社）
株式会社ブロードバンドタワー（持分法適用関連会社）
株式会社ECBOスクエア（持分法適用関連会社）

脚注

[1] 参考文献

関連項目

イーブックイニシアティブジャパン - かつてIRIの持分法適用関連会社だった。

外部リンク

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