イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲート

イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲート

イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲートは、デンマーク海軍の艦級であり、ニールス・ユール級コルベットの後継艦として位置づけられています。この艦は、アブサロン級多目的支援艦を基に設計されており、特に防空任務に重点を置いています。

設計過程

この艦の設計は2000年に開始され、2006年まで延びました。最終的には2006年12月に建造契約が締結され、建造計画は2004年の国防合意に基づいています。ブロック工法を採用しており、一部の部品はリトアニアやエストニアで製造されました。アブサロン級を土台にしていますが、戦闘艦としての特性を高めるために、甲板の層数が1層減少しています。

さらに、速力面でも改良が加えられています。アブサロン級の最大速力は23ノットですが、フリゲートとしては不十分とされ、主機の強化が行われました。同級と同じMTU 20V-M70ディーゼルエンジンを使用し、4基のエンジンで2軸を駆動する方式を採用しています。推進機構には可変ピッチプロペラが使用され、艦首にはバウスラスターも整備されています。物資輸送用の20フィート型海上コンテナを4個搭載する能力も備えています。

主要装備

この艦はNAAWSを主武装システムとして装備し、国産のC-flex戦術情報処理装置を採用しています。兵装の配置には、スタンダード・フレックス・コンセプトが導入されており、兵装モジュールが5基設けられています。最前方のモジュールは竣工当初は空でしたが、後に76mm単装速射砲が搭載されました。

中部には、ESSM艦対空ミサイル用のMk.56 VLS（12セル）を2基、SM-2艦対空ミサイル用のMk.41 VLS（32セル）を1基、ハープーン艦対艦ミサイル用の4連装発射筒を2基装備しています。ハープーンに代わって2025年に発注されるNSMについても、注目されています。

その他の兵装には、艦首甲板に装備される76mm単装速射砲、後部上部構造物のミレニアム35mmCIWS、両舷に配置されたMU90短魚雷用の発射管が含まれています尚、艦首甲板の76mm速射砲は後日62口径5インチ単装砲に換装される可能性も検討されています。

運用実績

イーヴァル・ヒュイトフェルト級の一隻である「イーヴァル・ヒュイトフェルト」は、アメリカ主導の「繁栄の守護者作戦」に参加し、船舶保護のために紅海上空に派遣されました。2024年3月9日には、フーシ派の無人機4機を撃墜しましたが、タレス製APARレーダーとC-FLEXシステムとの連携不具合が発生し、ESSM対空ミサイルの発射が一時的にできませんでした。このため、76mm速射砲を用いて迎撃を試みましたが、技術的な問題がいくつか確認されました。

総じて、イーヴァル・ヒュイトフェルト級フリゲートは、最新鋭技術を駆使した防空能力を備え、デンマーク海軍の重要な戦力となっています。

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