ウィキボヤージュ

ウィキボヤージュとは

ウィキボヤージュは、世界中の旅行情報を集めた、誰でも無料で利用できるオンライン旅行ガイドです。ボランティアの寄稿者によって作成されており、その内容は常に更新されています。旅先での観光情報、交通手段、宿泊施設、レストランなど、旅行に必要なあらゆる情報が網羅されています。また、ユーザー自身が情報を編集したり、新しい情報を追加したりできる点が大きな特徴です。

名称の由来

ウィキボヤージュの名前は、インターネット上で誰もが自由に文書を編集できるシステムである「Wiki（ウィキ）」と、フランス語で「旅行」を意味する「Voyage（ボヤージュ）」を組み合わせたものです。この名前が示すように、ウィキボヤージュは、ユーザーの参加によって成長していく旅行ガイドを目指しています。

特徴

自由な編集: 誰でも自由に記事を編集・作成できるため、常に最新の情報が提供されています。
無料: 完全に無料で利用できます。オンラインでの利用はもちろん、オフラインでダウンロードして利用することも可能です。
多様な情報: 世界中のあらゆる地域の旅行情報が掲載されています。都市部だけでなく、秘境やローカルな情報も充実しています。
コミュニティ: ユーザー同士が協力して情報を作り上げていく、コミュニティベースのプロジェクトです。
クリエイティブ・コモンズライセンス: 著作権はクリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンスで許諾されており、商用利用も可能です。

歴史

開設

ウィキボヤージュの歴史は、2004年にウィキトラベルドイツ語版が作成されたことに始まります。しかし、2006年にドメインがインターネット企業に取得されたことで、運営方針を巡り意見の対立が発生。その後、ウィキトラベルの管理者や寄稿者によって、新たなプロジェクトとしてウィキボヤージュが設立されました。

2006年12月10日、ウィキトラベル・ドイツ語版のデータベースを基に、ウィキボヤージュはオンラインで公開されました。当初はドイツ語版のみでしたが、その後、イタリア語版をはじめ、さまざまな言語版が公開されました。特に、初期の頃はドイツとスイスの寄稿者が中心となってプロジェクトを支えました。

ウィキメディア財団への移管

2012年、ウィキトラベルの運営会社に対する不満から、ウィキトラベルの管理者や主要な利用者の多くが、ウィキボヤージュへの移行を決断しました。同時に、ウィキメディア財団が旅行ガイドプロジェクトを立ち上げることを提案し、ウィキボヤージュはウィキメディア財団の傘下に入ることになりました。

この移管によって、ウィキボヤージュはより安定した運営基盤を得ることができ、さまざまな言語版の拡充が進みました。2020年には、ウィキボヤージュ日本語版が正式に運用を開始しました。

多言語展開

ウィキメディア財団の傘下に入った当初は、ドイツ語、イタリア語、英語など7か国語版でしたが、その後、ポルトガル語、スペイン語、ポーランド語、ルーマニア語、ヘブライ語、ウクライナ語、ギリシャ語、ベトナム語、中国語など、多くの言語版が公開されました。

仕組みと操作

操作方式

ウィキボヤージュは、ウィキペディアと同じMediaWikiソフトウェアを使用しています。これにより、ユーザーは登録なしで自由に記事を閲覧したり、編集したりすることができます。記事の品質は、ユーザー同士の相互管理によって確保されています。

ライセンス

ウィキボヤージュは、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス（CC BY-SA）を採用しています。これにより、記事を自由に複製、頒布、改変することができます。また、商用利用も認められています。画像などのメディアファイルは、パブリックドメインや様々なライセンス（GNU、クリエイティブ・コモンズ等）で許諾されています。

情報の配置

ウィキボヤージュの情報は、百科事典よりも構造化された方法で配置されています。記事はカテゴリ分けされ、地理的な関係はパンくずリストで示されます。また、名前空間によってトピックが分けられており、旅行記事と関連トピックが効果的に整理されています。

頒布

ウィキボヤージュは、ミラーサイトなどによる頒布が歓迎されており、最新のアーカイブが毎週提供されています。これらのアーカイブには、ライセンス要件を満たすための情報が含まれています。

まとめ

ウィキボヤージュは、自由で開かれたオンライン旅行ガイドとして、世界中の旅行者に利用されています。ボランティアによって作成された、常に最新の情報を得られる点が魅力です。旅行の計画を立てる際には、ぜひ活用してみてください。

関連情報

公式ウェブサイト
* ウィキメディア・メタにおける旅行ガイド提案

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