ウィニー・マンデラ

ウィニー・マンデラ

ウィニー・マンデラ（Winnie Madikizela-Mandela、1936年9月26日 - 2018年4月2日）は、南アフリカの女性活動家であり政治家で、ネルソン・マンデラの2番目の妻として広く知られています。彼女は「国母」と称される一方、彼女の民族主義的な発言はしばしば議論の的となりました。また、彼女はジューリアス・マレマ党首との親密な関係が報じられることもあり、その立場からさまざまな意見が交錯しています。

生涯の軌跡

ウィニーのコサ語の名前、ノムザモ（Nomzamo）は「試練」という意味です。彼女は1936年9月26日にエボングゥエニで生まれ、トランスカイやヨハネスブルグで職を持ちながら、学校に通い社会福祉士の資格を取得しました。1957年にネルソン・マンデラと出会い、1958年に結婚しましたが、彼は既に1944年に結婚したエブリンと離婚しています。このころから、ウィニーは南アフリカ政府に対抗し、活動家としての道を歩み始めました。

彼女は1959年に娘ゼザニが、1960年には娘ジンジを出産。しかし、1960年3月21日のシャープビル虐殺事件を受け、南アフリカ政府は非常事態を宣言し、アフリカ民族会議（ANC）を非合法化しました。ネルソンは1961年からANCの軍事組織「ウムコント・ウェ・シズウェ」に参加し、1962年には逮捕されています。

ウィニーは夫の支持に忙殺されながら、夫との面会を続け、マスコミの注目を浴びます。彼女は1969年から18ヶ月間、反テロリズム法に基づき拘禁されるも、釈放後も夫のためのサポートを続けました。

1978年にはソウェト蜂起を扇動した容疑で逮捕され、無罪を勝ち取りましたが、その後のスピーチでは過激な発言が非難されることになります。1988年、彼女が主宰していたサッカークラブのメンバーによる誘拐殺人事件が報じられ、彼女の関与が疑われるという騒ぎも起きました。

政治活動と波乱

1990年、ネルソン・マンデラが釈放され、ウィニーもメディアに登場しますが、次第にANC内部との対立も表面化しました。1992年、ネルソンは彼女との離婚を発表しましたが、それでもウィニーはANCの支持者からの人気を維持しました。1993年にはアフリカ民族会議女性同盟の議長に選出され、1996年には正式に離婚します。その後も再び議長に選出されるなど、政治活動を続けました。

2003年、彼女は公金流用により懲役5年の有罪判決を受けましたが、その後も政治的活動を行い、ANCの執行委員にも選ばれました。2008年には移住者への襲撃事件に対して強く非難し、政府の政策に対する批判も行いました。

2009年の総選挙では、ANCの候補者として目立った存在となり、貧困層からの支持を受けていました。また同年、ウィニーを描いた映画が製作され、2013年に公開されました。

ウィニー・マンデラは2018年4月2日にヨハネスブルグで死去しましたが、彼女の人生は南アフリカの歴史と密接に結びついており、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

著作

* 『わが魂はネルソンとともに』 阿部登・村上淳彦 訳、新日本出版社、1987年。ISBN 978-4406015714

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