ウィリアムズ・FW20

ウィリアムズFW20

ウィリアムズFW20は、ウィリアムズF1が1998年のF1世界選手権に参戦するために開発されたフォーミュラ1カーです。このマシンは、その年の開幕戦から最終戦まで実際のレースで使用されました。

開発の経緯

1998年に向けて、ウィリアムズは早い段階から新レギュレーションに対応したテスト用のマシンを走らせていました。エイドリアン・ニューウェイがチームを離れた後、パトリック・ヘッドがチームを指揮し、チーフデザイナーとしてギャビン・フィッシャー、チーフエアロダイナミストとしてジェフ・ウィリスが開発に携わりました。この年、ウィリアムズは長年のパートナーであったルノーエンジンの撤退に直面し、1997年に使用していたルノーRS9を元にしたカスタマーエンジンのメカクロームを搭載しました。

加えて、メインスポンサーの変更により、マシンのカラーリングは伝統的な青から赤に変わり、目を引くデザインとなりました。

1998年シーズンのパフォーマンス

1998年のシーズンは、ウィリアムズにとって厳しい年となりました。エイドリアン・ニューウェイが去ってからの影響が徐々に現れ始め、チームのパフォーマンスは大きく後退しました。また、ウィリアムズはBMWエンジンを導入する計画もありましたが、その取得が遅れたため、カスタマーエンジンのメカクロームを使用せざるを得ませんでした。

メカクロームエンジンは前年のモデルであり、フェラーリやメルセデスといった競合チームの最新エンジンに対して技術的に劣るものでした。1998年はマシン全幅の縮小など、数々のレギュレーション変更が実施され、従来の設計に新たな挑戦を強いられることになりました。

結果的な成績

開幕戦ではハインツ＝ハラルド・フレンツェンが3位に入賞し、シーズン中にはジャック・ヴィルヌーヴもドイツとハンガリーで3位表彰台を獲得しました。しかし、結局シーズンを通じて勝利を挙げることはできず、1988年以来のシーズン未勝利という結果に終わりました。この年、ジョーダンに在籍するデイモン・ヒルがベルギーGPで驚きの勝利を遂げ、チーム初の優勝をもたらしたことが印象に残ります。

コンストラクターズポイントでは3位を獲得しましたが、ジョーダンにはわずか4点差の38点に留まり、ウィリアムズのかつての強さは完全に失われていました。

スペック

• - シャーシ名： FW20
• - 全長： 4,392 mm
• - 全幅： 1,800 mm
• - ホイルベース： 2,914 mm
• - 前トレッド： 1,460 mm
• - 後トレッド： 1,400 mm
• - マシン重量： 605 kg
• - ホイール： O・Z
• - タイヤ： グッドイヤー

エンジン

• - エンジン名： メカクロームGC37/01
• - 気筒数・角度： V型10気筒・71度
• - 排気量： 3,000 cc
• - スパークプラグ： チャンピオン
• - 燃料・オイル： ペトロブラス・カストロール

さて、FW20は記録上は多くの期待を裏切ったものの、フォーミュラ1の歴史の中で忘れられない存在となりました。

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