ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋

『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』（W.E.）は、2011年に公開されたイギリスのドラマ映画です。歌手で女優のマドンナが監督を務め、アビー・コーニッシュとアンドレア・ライズボローが主演しています。この映画は、英国王エドワード8世がアメリカ人既婚女性ウォリス・シンプソンと恋に落ち、王冠を捨てたという歴史的な出来事、いわゆる「王冠をかけた恋」を題材としています。

物語は、ウォリス・シンプソンの視点から、このロマンスを描くと同時に、現代を生きる一人の女性の物語を並行して展開します。1998年のニューヨークを舞台に、一流分析医の妻であるウォリーは、誰もが羨むセレブ生活を送っていますが、夫との間に心の距離を感じています。そんな中、彼女はサザビーズで開催されるウィンザー公爵夫妻の遺品オークションに足を運びます。そこで彼女は、ウォリス・シンプソンの人生に共感を覚え、幻のウォリスと対話するようになります。

オークション会場で出会った警備員エフゲニは、亡き妻の面影をウォリーに感じ、二人は惹かれ合います。ウォリーは、夫との関係が破綻し、エフゲニと愛を育むようになります。一方、ウォリーはウォリスの手紙を入手するためにパリへ向かい、ウォリスの苦悩と葛藤を知ることになります。

映画には、現代の女性ウォリーと過去のウォリスという二人の女性の物語が交錯します。ウォリーは、自身の人生とウォリスの人生を重ね合わせ、愛と自己の探求という普遍的なテーマに直面します。

映画には以下のようなキャストが出演しています。

1998年
ウォリー・ウィンスロップ: アビー・コーニッシュ（足立友） - 既婚女性。元学芸員。
エフゲニ・コルパコフ: オスカー・アイザック（高橋研二） - 亡命ロシア人の警備員。
ウィリアム・ウィンスロップ: リチャード・コイル - ウォリーの夫。一流分析医。
モハメド・アルファイド: ハルク・ビルギナー - 実業家で大富豪。
テンテン: クリスティーナ・チョン - サザビーズの学芸員。ウォリーの元同僚。
王冠をかけた恋
ウォリス・シンプソン: アンドレア・ライズボロー（藤村歩） - 米国人既婚女性。
デイヴィッド（エドワード8世）: ジェームズ・ダーシー（北田理道） - 英国皇太子。後に国王に。
アーネスト・シンプソン: デヴィッド・ハーバー - ウォリスの2番目の夫。実業家。
ジョージ5世: ジェームズ・フォックス - 英国王。デイヴィッドの父。
メアリー王妃: ジュディ・パーフィット - デイヴィッドの母。
スタンリー・ボールドウィン: ジェフリー・パーマー - 英国首相。
バーティ（ジョージ6世）: ローレンス・フォックス - デイヴィッドの弟。退位した兄に代わって国王に。
エリザベス妃: ナタリー・ドーマー - バーティの妻。
テルマ・ファーネス子爵夫人: ケイティ・マクグラス - デイヴィッドの愛人。ウォリスにデイヴィッドを紹介。

映画の評価は批評家によって大きく分かれています。Rotten Tomatoesでは、113件のレビューのうち、肯定的な評価はわずか12％にとどまり、平均点は10点満点中4.24点です。Metacriticでは、32件のレビューで、高評価は3件、賛否両論は20件、低評価は9件で、平均スコアは100点満点中37点となっています。この評価の低さにも関わらず、映画は第84回アカデミー賞で衣裳デザイン賞にノミネートされ、第69回ゴールデングローブ賞では主題歌賞を受賞しています。

『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』は、歴史的なロマンスを背景に、現代の女性の葛藤を描いた作品として、観る人に様々な問いを投げかけます。

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