ウォルフ424

ウォルフ424とは

ウォルフ424は、おとめ座の方向、地球から約14.3光年離れた場所に位置する連星系です。この連星系は、二つの赤色矮星、ウォルフ424Aとウォルフ424Bから構成されています。1938年に写真乾板上の星像が伸びていることが発見され、連星であることが判明しました。その後、追観測によって軌道要素が推定されました。

連星系の特徴

ウォルフ424Aとウォルフ424Bは、共通の重心の周りを公転しています。軌道長半径は約4.1天文単位（AU）、離心率は0.3で、約15.6年周期で公転しています。しかし、見かけの等級は12.5と非常に暗く、肉眼で観測することはできません。これは、二つの恒星が共に赤色矮星であり、低温で小型であるためです。

各恒星の詳細

ウォルフ424A

主星であるウォルフ424Aは、質量が太陽の約0.14倍、半径が太陽の約0.17倍と小型です。主系列星（赤色矮星）に分類され、表面温度も低いです。太陽系近傍の恒星の中でも特に暗い部類に入ります。

ウォルフ424B

伴星であるウォルフ424Bも、主星と同様に赤色矮星です。質量は太陽の約0.13倍、半径は太陽の約0.14倍と、さらに小型です。

変光星としての特徴

ウォルフ424系は、閃光星（フレア星）としても知られています。これは、突発的な増光現象であるフレアを頻繁に起こす変光星であることを意味します。そのため、変光星としての名前「おとめ座FL星」も与えられています。また、黒点活動の存在も示唆されており、活発な磁気活動が予想されます。これらの現象は、赤色矮星特有の活動として研究対象となっています。

補足

ウォルフ424は、太陽から15光年以内に存在する恒星としては、最も暗い部類に属します。その近さにもかかわらず、暗いために肉眼では観測できません。しかし、天文学的には、その特徴から貴重な観測対象となっています。

参考文献

“The Wolf Page - Wolf 359 and 424”. 2001年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月15日閲覧。
ウォルフ424 AB (SolStation)
VSX: Detail for FL Vir - AAVSO

関連項目

近い恒星の一覧

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