ウクライナ・ソビエト共和国

ウクライナ・ソビエト共和国

ウクライナ・ソビエト共和国（Украинская Советская Республика）は、かつてウクライナに存在した国家です。その歴史は、1917年12月25日に成立したウクライナ人民共和国に端を発します。

建国と初期の変遷

当初の首都はハリコフに置かれました。ウクライナ・ソビエト共和国は、その成立後、いくつかのソビエト共和国を併合し、また国号の変更を繰り返しながら、1991年8月24日まで存続しました。この間、国家の標語として「万国の労働者よ、団結せよ!」が掲げられ、国歌には「インターナショナル」が用いられました。

ボリシェヴィキによる統合

1918年3月19日、ウクライナ・ソビエト戦争のさなか、ボリシェヴィキは自らの勢力劣勢を考慮し、ウクライナ領内に存在したすべてのソビエト共和国を、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国下の「ウクライナ・ソビエト共和国」に統合することを決定しました。これにより、ウクライナ人民共和国、ドネツク＝クリヴォーイ・ローク・ソビエト共和国、オデッサ・ソビエト共和国、タヴリダ・ソビエト社会主義共和国がウクライナ・ソビエト共和国の下に統合されました。しかし、これらの領土は1918年5月までに、ウクライナ人民共和国やウクライナ国によって奪取され、ウクライナ・ソビエト共和国政府はロシア領内へ一時的に撤退を余儀なくされました。

ハリコフの陥落と奪還

1918年6月24日、ハリコフはアントーン・デニーキン将軍率いる白軍の攻撃によって陥落しました。デニーキン軍はその後、ロシアのオリョールなども手中に収め、一時はモスクワにまで迫る勢いを見せました。しかし、ネストル・マフノ率いるウクライナ革命反乱軍によって白軍の補給路が断たれると、白軍の勢いは衰え始めました。これに対し、ソビエト勢力は反撃に転じ、同年12月12日にはハリコフは赤軍によって奪還され、さらに12月16日にはキエフも赤軍の手に落ちました。

国号の変更

この情勢を背景に、1919年1月6日、ウクライナ・ソビエト共和国は国号を「ウクライナ社会主義ソビエト共和国」と改称しました。

ウクライナ・ソビエト共和国は、その成立から崩壊までの間、複雑な政治的変動と戦争を経験し、その変遷はウクライナの歴史において重要な一章を刻みました。

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