ウッタラディット県

ウッタラディット県 (Uttaradit)

ウッタラディット県は、タイ北部に位置する県で、ピッサヌローク県、スコータイ県、プレー県、ナーン県と隣接し、東側はラオスとの国境を接しています。バンコクから約500km、チェンマイからは約240kmの距離にあります。

歴史

「ウッタラディット」という名前は、ナーン川の重要な貿易拠点であったことから、「北の港」または「北の荷揚げ場」を意味するタイ語に由来します。スコータイ王朝時代には、ムアン・ファン（現在のムアン・ウッタラディット地区）、ムアン・トゥン・ヤン（ラプレ）、ムアン・タ・チュチョク（トロン地区）などの都市国家に分かれていました。アユタヤ王朝時代には、ムアン・ピチャイがタイ王国の主要な都市の一つとされていました。

ナレースワン王時代には、ピチャイの統治者が反乱を起こしましたが、鎮圧され、住民はピサヌローク南部に強制移住させられました。1767年、ビルマによるアユタヤ王朝の衰退により、ピチャイは侵略者との戦場となりました。ピチャイの統治者はビルマ軍を撃退し、その功績から「折れた剣のピチャイ卿」と称えられました。ラーマ3世の時代には、ムアン・ピチャイはナーンやプレーだけでなく、ラオスのルアンパバーンやビエンチャンをも統治下に置いていました。1887年に本都市が重要な貿易拠点として成長を遂げたことからピチャイに従属しました。1899年には中心部が新しい場所に移転し、1915年にウッタラディットと改名されました。

地理

ウッタラディット県はナーン川に沿って位置し、市内から約45kmの地点でシリキット王妃ダムに繋がります。ダムの面積は25,000haに及びます。ピー・パン・ナム山脈が県北西部まで広がっています。

県内にはチーク材が豊富にあり、主要な生産物となっています。トンサクヤイ森林公園には、樹齢1,500年、胴回り9.87m、高さ37mの世界最大のチークの木「トンサクヤイ」があります。かつては高さ48.5mありましたが、嵐で一部が折れて現在の高さになりました。ウッタラディットには、クロン・トロン国立公園、ラム・ナム・ナン国立公園、プ・ソイ・ダオ国立公園の3つの国立公園があります。

県章

県章は、ラップレー郡にあるワット・プラテーンシラアットの寺院がデザインされています。寺院の本尊は、ブッダが悟りを開く際に使用したとされるラテライト製のレンガで、その上にモンドップが建てられています。

県木はチーク、県花はカリンです。

行政区

ウッタラディット県は9つの郡（アムプー）に分かれており、その下に67の町（タムボン）、562の村（ムーバーン）があります。

その他

日本のSF小説『MM9 怪獣のいる風景』（単行本化時に『トワイライト・テールズ』に改題）の第3・4話の舞台となっています。

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