ウバサンジャ

ウバサンジャ・チン・タイジ

ウバサンジャ（Ubasanǰa čing tayiǰi、1515年 - ?）は、16世紀のモンゴルにおける重要な人物であり、バト・モンケ、即ちダヤン・ハーンの息子の一人として知られています。彼はしばしば「ウバサンジャ・チン・タイジ」と尊称されます。

生い立ち

ウバサンジャは、ダヤン・ハーンとその側室であるジャライルのスミル・ハトンの間に生まれました。同母兄弟にはゲレト・タイジがいます。

部族の分封

ウバサンジャが父ダヤン・ハーンから分封された部族については、史料によって記述が異なり、混乱が見られます。

『蒙古源流』や『蒙古世系譜』では、アスト部とヨンシエブ部を与えられたとされています。
『アルタン・トプチ』では、カラ・タタル部を与えられたと記されています。
『恒河の流れ』などの史料では、タタル・アイマグを与えられたとされています。

しかし、漢文史料の記載などから、アスト部（とヨンシエブ部）を実際に相続したのはアル・ボラトであることが判明しています。そのため、ウバサンジャが相続したのは、チャハル・トゥメンに属するタタル・オトクであるという説が有力視されています。

子孫

ウバサンジャの子孫としては、以下の人物が知られています。

トンシ・タイジ（Töngsi Tayiǰi/通石台吉）
チャンリ・タイジ（Čangli tayiǰi/長力台吉）

参考文献

岡田英弘訳注『蒙古源流』刀水書房、2004年
森川哲雄「チャハル・八オトクとその分封について」『東洋学報』58巻、1976年
吉田順一『アルタン・ハーン伝訳注』風間書房、1998年

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