ウラジーミル4世

ウラジーミル4世 (ウラジーミル・リュリコヴィチ)

ウラジーミル4世（ロシア語: Владимир Рюрикович、ウクライナ語: Володимир Рюрикович、1187年 - 1239年3月31日）は、キエフ大公リューリクの子であり、中世ルーシの混乱期を生きた人物です。彼は、ペレヤスラヴリ公、スモレンスク公、オーヴルチ公、そしてキエフ大公という要職を歴任し、その生涯は戦乱と政治的駆け引きに彩られていました。

生涯

1206年から1210年にかけて、ウラジーミルは父リューリクと共にフセヴォロドとの闘争に参加し、政治的な手腕を磨きました。1207年にはリトアニアへの遠征を指揮し、軍事的な才能も発揮。1216年にはリピツァの戦いにも参加するなど、精力的な活動を見せました。

年代記によると、1219年にキエフ大公に着任したとされていますが、これは兄ロスチスラフの死によってオーヴルチ公になった年と推定されています。彼の治世は、決して平穏なものではありませんでした。

1223年、モンゴル帝国の侵攻軍が現れると、ウラジーミルはカルカ河畔の戦いに参加。この戦いでキエフ大公ムスチスラフが戦死したため、その後を継いでキエフ大公となりました。しかし、モンゴルの脅威は増すばかりでした。

1225年から1227年の間、ウラジーミルは従兄弟のガーリチ公ムスチスラフを助け、ポーランド王国やガーリチ地方のダニールと争いました。その後ダニールと和解し同盟を組織。1234年から1236年の間には、ノヴゴロド・セヴェルスキー公イジャスラフ、チェルニゴフ公ミハイルの同盟軍と対立するなど、周辺諸国との関係も複雑でした。

また、『イパーチー年代記』によれば、モンゴルのルーシ侵攻開始の前日に、キエフ大公ヤロスラフの後を継ぎ、ダニールの代理として再度キエフ大公となっています。これは、彼がルーシの命運を左右する重要な役割を担っていたことを示唆しています。

キエフ大公を退いた後のウラジーミルは、スモレンスク公に即位したとも考えられていますが、ルーシ国内の状況を考慮すると、スモレンスクには戻らず、ルーシ南部のオーヴルチに留まったと考えられています。

1239年、モンゴル帝国軍によるペレヤスラヴリ攻略の際に、ウラジーミルは命を落としました。彼の死は、ルーシの歴史における大きな転換点となりました。

子

ロスチスラフ - オーヴルチ公
マリナ - 1230年、ノヴゴロド公フセヴォロドと結婚
娘 - ベルズ公アレクサンドルと結婚
アンドレイ - ヴャジマ公

ウラジーミル4世は、激動の時代を生きたルーシの公として、その名を歴史に刻んでいます。

脚注

出典

* Л.Войтович КНЯЗІВСЬКІ ДИНАСТІЇ CXIДНОЇ ЄВРОПИ

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