ウラル航空

ウラル航空について

ウラル航空（Ural Airlines）は、ロシア連邦のエカテリンブルクに本社を構える航空会社です。ロシア国内の主要都市を結ぶ路線網に加え、CIS（独立国家共同体）諸国、トルコ、ドイツなど近隣諸国へ定期便やチャーター便を運航しています。近年、目覚ましい発展を遂げている航空会社の一つとして知られています。

歴史

ウラル航空の起源は、1943年に設立されたスヴェルドロフスク連合航空飛行隊（Sverdlovsk United Air Squadron）に遡ります。当時、エカテリンブルクはスヴェルドロフスクと呼ばれており、コルツォヴォ国際空港を拠点としていました。設立当初は、ソビエト連邦のフラッグ・キャリアであったアエロフロートの一部門として運航していました。

1993年に独立を果たし、ウラル航空として新たに設立されました。現在は、旅客・貨物輸送に加え、航空券の予約業務や機材の修理など、幅広い分野で事業を展開しています。

2018年12月12日には、日本の国土交通省から外国人国際航空運送事業の経営許可を取得し、同年12月21日から札幌/新千歳空港への定期便（週2便）の運航を開始しました。しかし、2022年10月17日、アメリカ商務省は同社に対し、継続的な輸出違反があったとして輸出特権を停止する命令を出しました。

就航都市

2024年12月現在、ウラル航空は以下の都市を拠点としています。ただし、新型コロナウイルスの世界的な流行と、2022年2月以降のロシア・ウクライナ情勢の悪化に伴い、一部路線は長期運休となっています。

（運休中の都市に関する情報は、状況により変動するため、最新の情報をご確認ください。）

保有機材

ウラル航空は、以前はアントノフやイリューシンといったソ連（現ロシア）製の航空機を使用していましたが、2011年頃までに全機退役させ、現在はエアバス社の機材に統一されています。

運航機材

エアバスA320ファミリー
エアバスA321
エアバスA319

退役済機材

アントノフAn-24
アントノフAn-26
イリューシンIl-86
ツポレフTu-154

事故・インシデント

ウラル航空は過去に重大な事故やインシデントを経験しています。

2019年8月15日：ジュコーフスキー空港発、シンフェロポリ行きの178便が離陸時、カモメの群れと衝突（バードストライク）しました。両エンジンが停止し、空港から1km未満のトウモロコシ畑に不時着を余儀なくされました。乗員7名、乗客226名のうち74名が負傷し、病院に搬送されましたが、幸いにも死者は出ませんでした。

2023年9月12日：ソチ国際空港発、オムスク・ツェントラーリヌイ国際空港行きの1383便が油圧トラブルに見舞われました。ダイバートを試みましたが、燃料不足により畑に不時着しました。この事故でも死者は出ていません。

まとめ

ウラル航空は、ロシアを拠点に国内外の路線を運航する航空会社です。設立から現在に至るまで、さまざまな変遷を経て発展を遂げてきました。特に近年は、機材の近代化や路線の拡充など、積極的な事業展開を行っています。過去の事故やインシデントから得た教訓を活かし、安全運航に努めています。

外部リンク

ウラル航空公式サイト（ロシア語、英語）

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