ウルツィニ

モンテネグロの秘境、ウルツィニ

ウルツィニは、モンテネグロ最南端に位置する魅力的な町です。アルバニアとの国境に近く、アドリア海の美しい海岸線に面しています。その歴史は古く、多様な文化が交錯する独特の雰囲気を醸し出しています。

地理と自然

ウルツィニは、アドリア海の海岸に位置し、モンテネグロ最南端の町として知られています。町の東部には、かつてアドリア海周辺で最大規模を誇ったウルツィニ塩田が広がっています。1930年代に建設されたこの塩田は、2013年に操業を停止しましたが、その後、自然が ধীরে ধীরে 回復し、現在は草地と化しています。塩生植物やヨシが繁茂し、渡り鳥の越冬地、営巣地、餌場として重要な役割を果たしています。また、両生類のPelophylax shqipericus、爬虫類のヨーロッパヌマガメ、哺乳類のユーラシアカワウソなど、貴重な生物も生息しています。

歴史

ウルツィニの歴史は非常に古く、青銅器時代の居住跡が見つかっています。紀元前5世紀にはコルキスの植民によって都市が建設され、紀元前3世紀の詩人ロドスのアポローニオスもこの都市について言及しています。ギリシアの影響が強まると、イリュリア人は石の壁を築き、紀元前163年にはローマ帝国がオルシニウムと命名しました。ローマ帝国の東西分裂後は、東ローマ帝国の管轄下に入りました。

中世の時代には、アドリア海における海賊の拠点として知られていました。しかし、住民に対する外部の印象は意外にも良く、細部にまで気を配り、議論を好む人々であったと言われています。1183年、中世セルビア王国のステファン・ネマニャがこの地を征服し、その後、アドリア海沿岸の重要な都市として発展しました。1355年にはウルツィニという名前に改名されました。

1423年にヴェネツィア共和国に征服されると、都市の名前はヴェネツィア語のドゥルチーニョ（Dulcigno）に変わり、アルバニア・ヴェネタに属することになりました。この頃、海岸でサラセン人の船が海難事故に遭い、その後、アフリカからの人々が居住するようになりました。その後、オスマン帝国に征服され、ベルリン会議を経てモンテネグロ王国に編入されました。その後、セルビア王国、ユーゴスラビア王国、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国、ユーゴスラビア連邦共和国、セルビア・モンテネグロを経て、現在のモンテネグロに属しています。

文化と観光

ウルツィニは、モンテネグロの中でも特に有名な観光地の一つです。ニューヨーク・タイムズ紙の「2010年に行きたい場所31選」にも選ばれました。モンテネグロや近隣諸国では、最も美しく有名な海岸を持つ都市として知られていますが、主要国での知名度はまだ高くありません。イタリア、ドイツ、東ヨーロッパなどからの観光客が多く訪れます。

伝統的な闘羊祭も行われ、観光客に人気です。

著名人

ウルツィニには、有名な作家ミゲル・デ・セルバンテスや、ユダヤ教の指導者シャブタイ・ツヴィが暮らしていました。

住民構成

ウルツィニの住民は多様な民族で構成されています。2003年の時点では、アルバニア人が73.14%を占め、モンテネグロ人が11.93%、セルビア人が7.44%、ムスリム人が3.36%、ボスニア人が1.46%となっています。宗教も多様で、ムスリムが70%、ローマ・カトリックが20%、正教会が10%となっています。

交通

ウルツィニには、アドリア海沿岸道路が通っています。かつてはウルツィニ空港がありましたが、閉鎖されたため、現在はティヴァト空港またはポドゴリツァ空港を利用する必要があります。市内での移動には、バスやタクシーが便利です。

ウルツィニは、歴史、文化、自然が豊かに融合した魅力的な町です。モンテネグロを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

もう一度検索