ウルビーノ公国

ウルビーノ公国：ルネサンス文化が花開いたイタリアの小国

ウルビーノ公国は、1443年から1631年まで、現在のイタリア、マルケ州北部に存在した国です。その歴史は、13世紀にウルビーノ伯領として始まったモンテフェルトロ家の支配に遡ります。

公国の成立と隆盛

1443年、教皇エウゲニウス4世がオッダントーニオ2世・ダ・モンテフェルトロをウルビーノ公に任命したことで、ウルビーノ公国が正式に成立しました。ウルビーノは公国の首都として発展し、イタリア・ルネサンスの中心地の一つとなりました。しかし、1523年に首都がペーザロに移されると、徐々に衰退の道をたどります。

公国が成立した当初、その領土は東はアドリア海、西はフィレンツェ共和国と接しており、その他は教皇領と境を接していました。この地理的な位置関係は、ウルビーノ公国の発展と外交に大きな影響を与えました。

モンテフェルトロ家とデッラ・ローヴェレ家による統治

ウルビーノ公国は、モンテフェルトロ家によって長らく統治されました。初代ウルビーノ公オッダントーニオ2世の後を継いだフェデリーコ3世・ダ・モンテフェルトロは、優れた統治者であり、ウルビーノをルネサンス文化の中心地へと発展させました。彼の治世は公国にとって黄金期であり、その功績は今もなお語り継がれています。

16世紀に入ると、モンテフェルトロ家の血筋が途絶え、公国はデッラ・ローヴェレ家の支配下に入ります。1508年にフランチェスコ・マリーア1世・デッラ・ローヴェレが公位を継承し、その後も何度か支配者が変わりますが、デッラ・ローヴェレ家が公国を統治し続けました。

公国の終焉とその後

1631年、ウルバヌス8世によってウルビーノ公国は教皇領に併合され、その歴史に幕を閉じました。公国は行政区となり、18世紀には教皇領の一県へと格下げされました。

ウルビーノ公国の歴史は、ルネサンス期のイタリアにおける小国の興亡を象徴しています。モンテフェルトロ家、デッラ・ローヴェレ家によって築かれた文化は、今日でもウルビーノの街に色濃く残っており、観光客を魅了しています。

ウルビーノ公国歴代君主

モンテフェルトロ家（ウルビーノ伯）
1234年-1242年: ボンコンテ1世・ダ・モンテフェルトロ
1242年-1255年: モンテフェルトラーノ2世・ダ・モンテフェルトロ
1255年-1285年: グイード・ダ・モンテフェルトロ（老伯）、ガラッソ
1285年-1304年: 教皇領
1296年-1322年: フェデリーコ1世・ダ・モンテフェルトロ
1322年-1360年: グイード2世、ノルフォ・ダ・モンテフェルトロ
1322年-1324年: 教皇領
1360年-1363年: フェデリーコ2世・ダ・モンテフェルトロ
1363年-1404年: アントーニオ2世・ダ・モンテフェルトロ
1369年-1375年: 教皇領
1404年-1443年: グイダントーニオ・ダ・モンテフェルトロ

モンテフェルトロ家（ウルビーノ公）
1443年-1444年: オッダントーニオ2世・ダ・モンテフェルトロ
1444年-1482年: フェデリーコ3世・ダ・モンテフェルトロ
1482年-1508年: グイドバルド・ダ・モンテフェルトロ
1502年-1504年: チェーザレ・ボルジアによる支配

デッラ・ローヴェレ家（ウルビーノ公）
1508年-1516年: フランチェスコ・マリーア1世・デッラ・ローヴェレ
1516年-1519年: ロレンツォ2世・デ・メディチ
1521年-1538年: フランチェスコ・マリーア1世・デッラ・ローヴェレ（復位）
1539年-1574年: グイドバルド2世・デッラ・ローヴェレ
1574年-1621年: フランチェスコ・マリーア2世・デッラ・ローヴェレ
1621年-1623年: フェデリーコ・ウバルド・デッラ・ローヴェレ
1623年-1631年: フランチェスコ・マリーア2世・デッラ・ローヴェレ（復位）

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