エアポート・レール・リンク

エアポート・レール・リンク (Airport Rail Link)

エアポート・レール・リンク（ARL）は、タイの首都バンコクにあるスワンナプーム国際空港と市内中心部を結ぶ都市高速鉄道です。2010年8月23日に開業し、現在は民間企業Asia Era One社に運営が移管され、AERA 1 CITYという名称で運行されています。この記事では、旧称時代の情報も併せて解説します。

概要

エアポート・レール・リンクは、タイ国鉄（SRT）の東本線の敷地を利用して建設されました。路線距離は28.6kmで、8つの駅があります。運営は、2021年まではタイ国鉄傘下のSRTETが行っていましたが、現在はAsia Era One社に移管されています。この路線は、登記上はタイ国鉄東本線の副線という扱いになっています。

駅と接続

主要な駅として、パヤータイ駅はバンコク・スカイトレイン（BTS）スクムウィット線、マッカサン駅はバンコク・メトロ（MRT）ブルーラインに接続しており、都心へのアクセスが便利です。

運行状況

運行時間は午前5時30分から深夜0時までで、おおむね15分間隔で運行されています。朝夕のラッシュ時には増発も行われます。2020年からの入国特別措置期間中は大幅に減便されていましたが、2024年には以前と同様のダイヤに戻っています。

路線と設備

電化方式は交流25kV架線集電方式で、軌間は1,435mm（標準軌）です。開業当初、ホームドアはスワンナプーム駅のみに設置されていましたが、後に他の駅にも転落防止柵が設置されました。

将来計画

現在、ドンムアン空港とパヤータイ間、およびスワンナプーム空港とウタパオ国際空港間を結ぶ新線建設が計画されています。この新線は、AERA 1 HIGH SPEEDとしてサービスが提供される予定です。また、現行のCity Lineもドンムアン空港まで延伸される予定です。

歴史

開業までの経緯

エアポート・レール・リンクは、2007年8月の完成を目指していましたが、建設の遅れから2010年8月23日に正式開業しました。開業前には何度か試験運行が行われましたが、その間にも中断を挟むなど、混乱も見られました。

運営体制の変更

2021年10月25日、運営がAsia Era One社に移管され、路線名称もAERA 1 CITYに改称されました。この運営移管は、50年間の契約に基づいています。

運行形態の変遷

開業当初は、各駅停車のSA City Lineに加え、ノンストップの急行列車SA Expressも運行されていましたが、2014年にSA Expressは廃止されました。現在はAERA 1 CITYのみが運行しています。

各種運行形態の詳細

AERA 1 CITY (旧SA City Line)

空港駅からマッカサン駅を経由し、パヤータイ駅までを結ぶ各駅停車です。所要時間は約30分。専用車両が使用され、車内はロングシートです。運賃は15バーツから45バーツで、隣駅との移動は15バーツ、1駅ごとに5バーツが加算されます。

SA Express (廃止)

空港駅からマッカサン駅またはパヤータイ駅までをノンストップで結んだ急行列車です。空港駅 - マッカサン駅間は約15分、空港駅 - パヤータイ駅間は約20分でした。運賃は150バーツで、City Lineとは別建てでした。専用のクロスシート車両が使用され、車体には赤い帯が描かれていました。

車両

車両は、ドイツのシーメンス社製のデジロ（Desiro UK）が導入されました。当初、Express用とCity Line用に分けられていましたが、Expressの廃止に伴い、Express用の車両もロングシートに改造され、City Line用と共通運用されています。

新車導入の計画

2013年にはCity Line用の新車増備が計画されましたが、実現には至りませんでした。その後も、何度か新車導入の動きがありましたが、新体制に移行するまで増備は行われませんでした。

その他

シティ・エアターミナル

開業当初、マッカサン駅にはシティ・エアターミナルというチェックインカウンターが設置されていましたが、現在は閉鎖されています。

開業までの混乱

開業は度重なる遅延に見舞われました。当初予定されていた2007年8月から大幅に遅れ、試験運行が繰り返された後、2010年8月23日に正式開業に至りました。

脚注

（注釈、参考文献、関連項目、外部リンクは省略）

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