エアー北海道

エアー北海道株式会社について

エアー北海道株式会社（略称：ADK）は、かつて全日本空輸（ANA）グループに属していた航空会社で、北海道内の離島へ向けた空路を運営していました。1994年にエアーニッポン（ANK）と北海道の共同出資により設立され、同年に北海道の離島である利尻島と礼文島への路線を開設しました。しかし、設立からわずか数年後、経営環境は厳しくなり、島嶼部の住民の移動手段としての役割を果たすことが難しくなっていきました。

設立と初期運航

エアー北海道は、1994年にエアーニッポンとの共同出資により設立され、稚内空港から利尻空港および礼文空港へのフライトを引き継ぎました。これらの路線は、国や道、各地の自治体からの補助を受けて運営されていました。しかしながら、平均搭乗率は30%前後にとどまり、島民の利用者数は一便あたり一桁台と、厳しい経営状況が続きました。

経営の危機と路線廃止

2003年3月31日、エアー北海道は離島路線の運航を廃止する決定を下しました。これに先立ち、函館空港からの奥尻空港便も運航されていましたが、採算が取れず、2004年度には4千万円以上の債務超過に陥ることが発表されました。借入金の返済が猶予されたものの、経営の継続は困難であり、2006年3月31日には完全に業務を停止。清算作業は同年7月7日に完了し、エアー北海道はその12年の歴史に幕を下ろしました。函館 - 奥尻線はその後、北海道エアシステム（HAC）に引き継がれることとなりました。

使用機材

エアー北海道ではデ・ハビランド・カナダDHC-6-300（ツインオッター）を主に運航していました。この機材は2機を所有しており、1台は1970年製のJA8797で、もともとは日本近距離航空（NKA）が購入したものです。現在この機体はアメリカに売却され、改造されて遊覧飛行機として使用されています。他の1台、JA8799は1974年製で、同様に2003年に廃止後、ドイツに売却されました。

最後に

エアー北海道の設立から運航、そして廃止に至るまでの歴史は、地方航空の厳しさを示すものです。地域に根ざした交通手段を提供する一方で、採算との戦いが続き、最後には他の航空会社へ路線が引き継がれる結果となりました。エアー北海道の運営は、地域交通の重要性とその困難さを顕在化させる一例であり、地方航空の未来への課題を考える材料となっています。

もう一度検索