エイシンデピュティ

エイシンデピュティ: 日本の名競走馬

エイシンデピュティ（Eishin Deputy）は、日本の競馬界において特異な存在感を示す競走馬です。その名前は、冠名の「エイシン」と父馬であるフレンチデピュティから取られています。エイシンデピュティの競走人生は、数々の試練と成功に彩られています。

経歴

3歳から4歳の時期

エイシンデピュティは、2005年4月24日にデビューを果たしました。初戦では良い結果を残せませんでしたが、3戦目には初勝利を挙げ、徐々に注目を集めることとなります。オープンクラスに昇格するためには、もう少し時間がかかりました。

5歳: 重賞初制覇とその後の展開

2007年には、大きな飛躍の年を迎えました。3月25日に心斎橋ステークスを制覇し、続くオーストラリアトロフィー、エプソムカップでも勝利し、3連勝を飾ります。これにより、重賞初制覇を達成しました。しかし、続く毎日王冠では8着、天皇賞（秋）では直線で他馬を妨害し、降着という結果となり、14着に順位を下げました。アルコールによる休養後、鳴尾記念で2着となり、再度力を見せました。

6歳: 宝塚記念での栄誉

2008年には、京都金杯での勝利により、重賞2勝目を記録します。その後、ドバイデューティーフリーへの出走登録は行われたものの、実際には回避しました。その年の宝塚記念では、好スタートを切り、最後の直線で追い詰められながらも、メイショウサムソンをアタマ差で振り切り、見事にGI制覇を果たしました。

7歳: 引退への道

しかし、9月24日に右前脚を痛めた影響で、天皇賞（秋）への出走を断念。年末の有馬記念で復帰を目指していましたが、調教中に再び負傷し、シーズン中の出走が不可能となりました。1年3ヶ月の休養を経て、復帰戦となったオールカマーでは14着に終わり、天皇賞（秋）でも9着、ジャパンカップでは6着と成績が振るいませんでした。最終レースのジャパンカップを経て、2009年12月10日に競走馬登録を抹消し引退しました。

特徴と走法

エイシンデピュティは、主にマイルから中距離競走での活躍が目立ちましたが、デビュー初期には短距離競走も多くこなしていました。彼のスタイルは、レース展開に応じた柔軟性に優れ、レースの流れに応じて自在にスピードを調整することができました。

降着事件の真相

2007年の天皇賞（秋）では、レースの流れを大きく変える斜行が問題視され、騎手に4日間の騎乗停止処分が下されました。しかし、他の馬の行動にも一因があったとされ、議論を巻き起こしました。

種牡馬としての活躍

2010年以降は、北海道のレックススタッドで種牡馬として新たな道を歩みました。2013年には初めての産駒がデビューし、初勝利も収めるなど、次世代への足掛かりを築きました。2018年からは栄進牧場に移り、2019年には種牡馬引退名馬につきました。

主な産駒と血統の影響

エイシンデピュティの主な産駒には、ジュニアクラウンでの成功を収めたカツゲキイチバンや中京ペガスターカップを制したグレイトデピュティがいます。血統には、名馬であるホオキパウェーブやトウカイトリックの名もあり、その影響は後世に引き継がれています。

エイシンデピュティは、その独自のキャリアと多彩な能力で、今なお多くの競馬ファンの心に残る名馬であり続けています。

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