エクアドル海軍

エクアドル海軍（Armada Ecuatoriana）

エクアドル海軍は、エクアドルの領海と沿岸警備を担う重要な組織です。1832年に大コロンビアからの独立に伴い設立され、今日に至るまでエクアドルの海洋における安全保障と権益保護に貢献しています。

歴史

エクアドル海軍は、1832年の設立当初から、その規模と能力を徐々に拡大してきました。しかし、国家予算の制約から、大規模な発展は難しい状況にあります。それでも、エクアドル海軍は、限られた資源を最大限に活用し、バランスの取れた戦力構成を維持しています。

組織

エクアドル海軍は、海軍総司令官（Comandante General de Marina）の指揮下に、様々な部門と組織を抱えています。2011年時点での総人員は7,283名で、これには海兵隊や沿岸警備隊の隊員も含まれます。2007年時点では、現役兵総員は5,500人でした。

主要な組織

海軍総司令部（Comandancia de Marina）：海軍の最高意思決定機関です。
海軍参謀本部（Estado Mayor de la Armada）：海軍の作戦、計画、および戦略を立案・実行します。
海軍作戦集団（Comando de Operaciones Navales）：実際の作戦行動を指揮・実行します。
沿岸警備水上権益総局（Direccion General de Espacios Acuaticos y Guardacostas）：沿岸警備隊としての役割を担い、領海の監視、不法行為の取り締まり、捜索救難活動などを行います。
海軍航空隊：人員250名から成り、哨戒機や輸送機、ヘリコプターなどを運用し、海上の監視や支援活動を行います。
海兵隊：1962年11月に設立され、人員1,700名から成ります。沿岸地域の防衛や治安維持、災害救助などに従事します。

教育機関

エクアドル海軍は、隊員の教育訓練にも力を入れています。主な教育機関としては、以下のようなものがあります。

海軍大学校（Academia de Guerra）
海軍技術センター（Centro Tecnológico Naval）
水上艦学校（Escuela de Superficie）
潜水艦学校（Escuela de Submarinos）
海軍上級学校（Escuela Superior Naval）

海軍管区

エクアドル海軍は、国内を3つの海軍管区に分けて管轄しています。

第1海軍管区：太平洋沿岸とガラパゴス諸島を管轄します。
第2海軍管区：キト周辺を管轄します。
第3海軍管区：アマゾン地方を管轄します。

主要基地・施設

エクアドル海軍の主要な基地・施設は以下の通りです。

グアヤキル：主要軍港
ハラミホ
サン・クリストバル
エスメラルダス

装備

エクアドル海軍は、多様な艦艇や航空機を保有しています。主な装備は以下の通りです（2011年6月時点）。

艦艇

通常動力型潜水艦：209/1300型×2隻
フリゲート：旧チリ コンデル級×2隻
コルベット：エスメラルダス級×6隻
ミサイル艇：キト級×3隻
測量艦：オリオン×1隻
練習帆船：グアヤス×1隻

沿岸警備隊

沿岸警備隊は、巡視艇や河川警備艇など、多数の小型艇を運用し、領海の監視や不法行為の取り締まりを行っています。

航空機

固定翼機：エナエル T-35 ピラン、ビーチ キング・エアB-200/B-300/B-350、ビーチ T-34C、IAI ヘロン、IAI サーチャー、CASA CN-235-300MP パースエイダーなど
回転翼機：ベル230T、ベル206 ジェットレンジャー/206TH57 シーレンジャー、ベル430など

エクアドル海軍は、限られた予算の中で、多様な任務を遂行するために、装備の近代化や訓練の強化に努めています。特に、沿岸警備隊は、違法漁業や麻薬密輸などの取り締まりにおいて重要な役割を果たしています。

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