エクス＝マルセイユ大学

エクス＝マルセイユ大学：フランス最大の学府とその歴史、そして人材

エクス＝マルセイユ大学は、フランス南部のマルセイユとエクス＝アン＝プロヴァンスにキャンパスを置く、フランス最大の公立大学です。その歴史は古く、1409年にプロヴァンス伯ルイ2世・ダンジューによって設立されたエクス大学にまで遡ります。2012年、エクス＝マルセイユ第1大学（プロヴァンス大学）、エクス＝マルセイユ第2大学（地中海大学）、そしてエクス＝マルセイユ第3大学（ポール・セザンヌ大学）の3大学が統合され、現在のエクス＝マルセイユ大学が誕生しました。

現在、7万人を超える学生が学んでおり、フランス国内のみならずフランス語圏においても最大規模の大学として知られています。マルセイユのファロ宮殿を本拠地とし、その歴史と規模は、フランス高等教育における重要な位置づけを示しています。

輝かしい歴史と伝統

600年以上にわたる歴史の中で、エクス＝マルセイユ大学は数多くの著名な人物を輩出しました。政治の世界では、フランス元大統領アドルフ・ティエールや元首相エドアール・バラデュールを始め、ブルガリア、レバノン、アンゴラなどの各国元首相など、国際的に活躍した政治家も多く名を連ねています。また、日本の政治家や外交官も多数在籍しており、日仏間の交流においても重要な役割を果たしています。例えば、明治期の政治家である重岡薫五郎はエクス大学で法学博士号を取得し、現代では平泉渉氏や冨永純正氏がフランスでの研修や留学経験を積んでいます。

学術・文化の世界においても、その功績は顕著です。かの有名な画家ポール・セザンヌは、エクス大学（現在のエクス＝マルセイユ大学）法学部に在籍していました。さらにノーベル賞受賞者である法学者のルネ・カサンや詩人のフレデリック・ミストラルも、この大学と深い繋がりを持っています。哲学者アンリ・ルフェーヴル、そして日本の仏文学者西尾修氏や言語学者敦賀陽一郎氏など、学術・文化各界で活躍する人材も多く輩出しています。

世界に貢献する教育と研究

エクス＝マルセイユ大学は、優れた教育と研究活動にも力を入れています。物理学者シャルル・ファブリとアルフレッド・ペローによる「ファブリ・ペロー干渉計」の発明、そしてオゾン層による紫外線吸収の発見など、科学技術の発展にも大きく貢献してきました。

さらに、中央大学法学部教授を歴任し、エクス＝マルセイユ大学客員教授も務めた高柳先男氏、下村康正氏、小島武司氏、椎橋隆幸氏といった日本の学者も、この大学で研究活動を行い、日仏間の学術交流を促進しています。明治大学法学部教授でエクス＝マルセイユ第3大学招聘教授を務めた大津浩氏も、その一例として挙げられます。

未来への展望

エクス＝マルセイユ大学は、その長い歴史と伝統、そして豊富な人材を活かし、今後ともフランスのみならず世界をリードする大学として発展していくことが期待されています。その歴史的意義、そして世界への貢献を理解することは、フランス高等教育、そして国際的な学術交流を考える上で極めて重要です。 エクス＝アン＝プロヴァンス政治学院など周辺機関との連携も視野に入れ、更なる発展が期待されます。

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