エクセター・チーフス

イングランド南西部の都市、エクセターに拠点を構えるラグビーユニオンクラブがエクセター・チーフスです。正式名称をエクセター・ラグビークラブとし、イングランド最高峰プロリーグであるプレミアシップで活動しています。その起源は古く、1871年に設立されました。

歴史

クラブの歴史は1871年に始まります。特筆すべき出来事として、1905年にはイングランド国内で初めてニュージーランド代表チームとの試合を主催したことが挙げられます。この時の遠征を機に、ニュージーランド代表は「オールブラックス」の愛称で広く知られるようになったとも伝えられています。イングランドでラグビーのリーグ戦が組織されるようになると、エクセターは当初デヴォン州の地域リーグに所属しました。クラブが「エクセター・チーフス」と呼ばれるようになったのは1990年代のことです。この愛称は、かつて1930年代に使用されていたものに由来しています。

プレミアシップへの道のり

エクセターは、イングランドの国内リーグ制度において着実にステップを上がっていきました。1997年には、当時3部リーグにあたるナショナル・リーグ1から、2部リーグのアライド・ダンバー・プレミアシップ2への昇格を果たします。その後、1部リーグであるプレミアシップ昇格を目指しますが、2005年にはブリストル、2008年にはノーサンプトン・セインツ、そして2009年にはリーズ・カーネギーにそれぞれ次ぐ2位となり、あと一歩のところで昇格を逃す苦しい時期を経験しました。この間、2006年には長年使用してきたカウンティ・グラウンドから、現在の本拠地であるサンディ・パークへとスタジアムを移転しています。

転機が訪れたのは、2部リーグがRFUチャンピオンシップとして再編成され、プレーオフ制度が導入された2009-10シーズンでした。このシーズン、エクセターはレギュラーシーズンを2位で終えましたが、プレーオフを勝ち進み、決勝ではブリストル・ラグビーを破る快挙を達成。クラブ史上初となる、念願のプレミアシップ昇格を成し遂げました。

最高峰での戦いと初の栄冠

初のプレミアシップとなった2010-11シーズンは8位で残留を決め、翌2011-12シーズンには5位に躍進。この成績により、2012-13シーズンには欧州クラブ最高峰の大会であるハイネケンカップに初出場を果たします。国内カップ戦においても成果を上げ、2014年にはアングロ・ウェルシュカップで初めてタイトルを獲得しました。

欧州の舞台では、ハイネケンカップの後継大会であるヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップにおいて、2015-16シーズンに初のプールステージ突破を果たし、準々決勝に進出します。しかし、準々決勝では同じイングランド勢のワスプスに対し、試合終了間際に逆転トライを許し、わずか1点差（24-25）で惜敗、準決勝進出を逸しました。同シーズン、プレミアシップでもレギュラーシーズンを2位で終え、初のプレーオフに進出。準決勝で再びワスプスを下し決勝へ駒を進めましたが、決勝ではサラセンズに敗れ、初優勝はなりませんでした。

しかし、その悔しさをバネに、エクセターは翌2016-17シーズンに再び躍動します。レギュラーシーズンを2位で通過すると、プレーオフ準決勝でサラセンズに勝利。決勝ではワスプスと対戦し、延長にもつれ込む激戦の末、23-20で勝利。ついにプレミアシップのタイトルを初めて獲得しました。翌2017-18シーズンもレギュラーシーズンを1位で終え、連続で決勝に進出しますが、サラセンズに屈し準優勝となります。

欧州制覇と国内連覇

クラブの歴史において最も輝かしいシーズンとなったのは、2019-20シーズンでしょう。この年、エクセター・チーフスはヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップの決勝に進出。フランスの強豪ラシン92と対戦し、31-27でこれを破り、クラブにとって初となる欧州クラブ王者の栄光を掴み取ります。勢いは国内リーグでも止まらず、プレミアシップでもレギュラーシーズンを1位で通過。プレーオフ決勝ではワスプスに19-13で勝利し、3シーズンぶり2回目となるプレミアシップ優勝を果たし、国内外の主要タイトルを独占する快挙を達成しました。

近年のプレミアシップでは、2020-21シーズンにレギュラーシーズン1位通過ながら決勝で敗れ準優勝となった後、2021-22シーズン以降は7位でシーズンを終える成績が続いています。

主な獲得タイトル

ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ: 優勝 1回 (2019-20)
プレミアシップ: 優勝 2回 (2016-17, 2019-20)
* アングロ・ウェルシュカップ (LVカップ): 優勝 1回 (2013-14)

歴代の主な所属選手

エクセター・チーフスには、各国の代表として国際舞台で活躍した多くの著名な選手が在籍しました。ナミビア代表でワールドカップにも出場し、後に代表監督を務めたクリュザンダー・ボタ、オーストラリア代表のディーン・マム、イタリア代表のミケーレ・カンパニャーロ、フィジー代表のジョシュ・マタビシやニコラ・マタワル、アルゼンチン代表のサンティアゴ・コルデロやエンリケ・ピエレット、アメリカ代表のウィル・フーリーらが名を連ねます。また、近年までチームの中心選手として活躍し、イングランド代表のルーク・カウワン＝ディッキーやジャック・ノーウェル、サム・シモンズ、ウェールズ代表のトマス・フランシス、スコットランド代表のサム・スキナーやジョニー・グレイ、スチュアート・ホッグといった国際レベルの選手たちが、エクセターの躍進を支えました。多くの選手は現在、国内外の他のクラブでプレーを続けています。

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