エジリン輝石

エジリン輝石（aegirine）は、ナトリウム（Na）と鉄（Fe3+）を含む単斜輝石の一種です。化学組成はNaFe3+Si2O6で表され、鉄がアルミニウム（Al）に置き換わるとひすい輝石となります。また、カルシウム（Ca）、マグネシウム（Mg）、鉄（Fe2+）を含むものはエジリン普通輝石と呼ばれます。

特徴

エジリン輝石は、一般的に火成岩中に産出します。その結晶は柱状や針状で、色は緑色、褐色、黒色など様々です。ガラス光沢を持ち、条線が見られることもあります。

名前の由来

エジリン輝石の名前は、北欧神話に登場する海の神「エーギル」に由来します。これは、エジリン輝石が最初に発見された場所が、ノルウェーの海に近い場所であったためと言われています。

関連鉱物

ひすい輝石: エジリン輝石の鉄がアルミニウムに置き換わったもの。
エジリン普通輝石: エジリン輝石がカルシウム、マグネシウム、鉄を含むもの。
錐輝石（アคมマイト）: エジリン輝石の別名。

産出地

エジリン輝石は、世界中の様々な場所で産出されます。主な産出地としては、ノルウェー、ロシア、カナダ、アメリカなどが挙げられます。

用途

エジリン輝石は、美しい外観から装飾品として利用されることがあります。また、鉱物標本としても人気があります。学術的には、火成岩の成因を研究する上で重要な鉱物です。

その他

エジリン輝石は、鉱物学的に興味深い鉱物であるだけでなく、北欧神話との繋がりを持つなど、文化的な側面も持ち合わせています。

参考文献

N. Morimoto et al., "Nomenclature of pyroxenes," Mineralogical Journal, Vol. 14, No. 5, pp. 198-221, 1989. PDF
森本信男 『造岩鉱物学』 東京大学出版会、1989年、ISBN 4-13-062123-8。
松原聰監修 『鉱物カラー図鑑』 ナツメ社、1999年、ISBN 4-8163-2693-6。
国立天文台編 『理科年表 平成19年』 丸善、2006年、ISBN 4-621-07763-5。

関連項目

鉱物
ケイ酸塩鉱物
輝石
造岩鉱物
エーギル

外部リンク

Aegirine (mindat.org)
Aegirine Mineral Data (webmineral.com)
* Pyroxeneグループ（地球資源論研究室）

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