エジン旗

エジン旗（エジンき、モンゴル語：ᠡᠵᠡᠨ᠎ᠡᠬᠣᠰᠢᠭᠤ、Ejen-e qosiɣu、中国語：额济纳旗）は、中華人民共和国内モンゴル[[自治区]]アルシャー盟に属する旗（県級行政区）です。地方政府はダライホブ・バルガス（達来呼布鎮）に置かれています。エチナ旗、エジナ旗とも呼ばれることもあります。

地理と産業

エジン旗は広大な面積を持ちますが、その大部分はゴビ[[砂漠]]に覆われた無人の砂漠地帯です。人口密度は非常に低く、自然環境が厳しい地域です。伝統的な産業としては、原住民であるモンゴル族による遊牧が行われています。近年では、カラ・ホト遺跡などの歴史的な観光資源を活かした観光業も発展しています。

また、エジン旗は中国の宇宙開発において重要な役割を果たしており、隣接する酒泉市には酒泉衛星発射センターがあります。内モンゴル[[自治区]]側では、この発射センターを含む地域を「東風航天城（東風航空宇宙シティー）」と呼んでいます。これは、発射センターが厳密にはエジン旗東風鎮に位置することから来ています。

行政区画

エジン旗は、2つの街道弁事処、3つのバルガス（鎮）、6つのソム（蘇木）を管轄しています。

街道弁事処
航空街道
東風街道

バルガス（鎮）
ダライホブ・バルガス（達来呼布鎮）
東風鎮
ハル・バルガトゥン・ウール・バルガス（哈日布日格徳音烏拉鎮）

ソム（蘇木）
サイハントーラエ・ソム（賽漢陶来蘇木）
馬鬃山ソム
ソブヌール・ソム（蘇泊淖爾蘇木）
バイントーラエ・ソム（巴彦陶来蘇木）
オントゴル・ソム（温図高勒蘇木）
バイントーハイ・ソム（巴音陶海蘇木）

人口動態

2019年時点でのエジン旗の定住人口は32,410人です。このうち漢民族が26,542人と、全体の81.9%を占めており、2000年の第5次全国人口調査と比較して、57%（+9,637人）増加しています。モンゴル族は5,217人（16.1%）、その他の少数民族（回族、満州族、チベット族、ユグル族、ダウール族、ロシア民族など）が651人（2.0%）となっています。近年、漢民族の流入が顕著であることがわかります。

交通

エジン旗はモンゴル国ウムヌゴビ県との国境に位置しており、チグ・ボームト（策克口岸）と呼ばれる国境検問所が設けられています。

航空

エジン旗には桃来空港があります。この空港は地域間の交通を支える重要な役割を果たしています。

鉄道

臨策線がバヤンノール市の臨河駅と国境地帯のチグ駅を結んでいます。旅客営業はエジン駅と臨河駅の間で行われており、地域住民の移動手段として利用されています。

道路

京新高速道路がエジン旗を通っており、他の地域との交通の便を向上させています。

観光

内モンゴル[[自治区]]は、愛国主義教育を目的とした「レッドツーリズム」を推進しており、その中でエジン旗には以下の3つの観光ルートが含まれています。

カラホト・エチナ川胡楊風景区（额济纳黑城·弱水胡杨风景区）：西夏時代の遺跡であるカラ・ホト（黒城）を中心に、エチナ川沿いの胡楊（コトカケヤナギ）の風景が楽しめる。
居延海景区（额济纳旗居延海景区）：エチナ川から繋がるガシュン・ノール（居延海）の景勝地で、自然の美しさを堪能できる。
東風航空宇宙シティー観光区（额济纳旗东风航天城旅游区）：酒泉衛星発射センター周辺の施設を見学できる。宇宙開発の歴史や技術に触れることができる。

その他の情報

エジン旗は、エチナ川、居延漢簡といった歴史・文化的な要素も持ち合わせています。

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