エスポラ級コルベット

エスポラ級コルベットについて

エスポラ級コルベットはアルゼンチン海軍に所属するコルベットの艦級で、設計は西ドイツのブローム・ウント・フォス（B+V）社によるMEKO 140型フリゲートを基にしています。特に、ジェーン海軍年鑑やアメリカ海軍協会（USNI）ではフリゲートとして分類され、その設計や性能が注目されています。

設計と構造

この艦級は、ポルトガル海軍のジョアン・コーチニョ級を参考にしながら、MEKO 360型[[フリゲート]]を小型化した形で設計されています。B+V社の呼称ではMEKO 140 A16として知られています。MEKO型の特徴である中央船楼型の船体形状やモジュール設計が採用されており、これによって装備の変更や更新が容易となっています。しかしながら、モジュール設計特有のデッドスペースの問題は避けられず、航海艦艇としてはその点での適応が求められます。

搭載される主機は、SEMT ピルスティク16PC2-5 V400ディーゼルエンジンの二基で、5翼式スクリュープロペラを駆動します。また、470キロボルトアンペア出力のディーゼル発電機を三基搭載しており、行動に必要な燃料は230トンの燃料油、5トンの航空燃料、70トンの清水を搭載できます。航空機運用を考慮し、フィンスタビライザーが装備されています。

装備と兵装

エスポラ級は、全艦がDAISY戦術情報処理装置を備えている他、最新の指揮システムを持つ艦も存在します。艦橋の前檣にはWM-28火器管制レーダーが設置され、目標捕捉機能も含まれています。また、航法レーダーも備えられています。煙突の排気口間には、対空・対水上捜索用のDA-05レーダーが設置され、ASO-4ソナーも搭載されています。

武装面では、艦首甲板に62口径76mm単装速射砲があり、船首楼甲板と船尾甲板には70口径40mmの連装機銃が一基ずつ配置されています。後部機銃上部には、国産のLIROD射撃指揮装置があり、2009年にはアップデートが実施されました。必要に応じて12.7mmの機銃も増設可能です。船尾部にはエグゾセMM38艦対艦ミサイルの単装発射筒を四基備え、船首楼甲板後部の両舷には324mmの3連装魚雷発射管が設置されています。

後端部にはヘリコプター用の甲板があり、後期の建造艦には伸縮式格納庫が追加されました。搭載される艦載機はリンクス哨戒ヘリコプターであり、実際にはAS.355MNフェニックが運用されています。

運用の歴史

エスポラ級コルベットは1979年8月に発注され、全艦がリオ・サンチアーゴ造船所で建造されました。4番艦は浸水事故の影響で竣工が遅れましたが、1997年には建造が再開され、2000年と2004年にそれぞれ就役しました。全艦はプエルト・ベルグラノ海軍基地を母港とし、第2フリゲート戦隊として活動しています。

一般的には外洋での哨戒や漁業監視の任務に従事しており、また1990年から1991年のペルシャ湾派遣も行っています。エスポラ級コルベットは、その設計と運用能力の両面で、アルゼンチン海軍の重要な戦力となっています。

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