エス・ディ・ロジ

株式会社エス・ディ・ロジは、愛知県名古屋市熱田区に本社を構える企業です。医薬品の流通に特化したロジスティクスサービスを主要な事業としており、日本の大手医薬品卸売企業であるスズケングループの一員（連結子会社）です。設立以来、事業内容や組織再編を経て社名を何度か変更しており、過去には株式会社アイチメディカルや愛知ミドリ十字株式会社、株式会社スズケンロジコムとして知られていました。

事業内容

現在のエス・ディ・ロジの主軸事業は、医薬品の安定供給を支える専門性の高いロジスティクスサービスの提供です。具体的には、医薬品を扱うための厳格な基準に対応した一般貨物自動車運送業を展開しています。また、医薬品メーカーから病院、薬局に至るまで、サプライチェーン全体に関わる多様な物流業務を受託しています。これには、特定の企業や施設の物流部門全体の運営を担う「物流業務の受託」、商品の保管・管理・出荷などを一括して行う「物流センター業務の受託」や「倉庫内業務の受託」が含まれます。さらに、医薬品メーカーに特化した物流アウトソーシングである「メーカー物流の受託」、医療機関等への最終配送を行う「納品業務の受託」、そして病院内で使用される医薬品や医療材料の在庫管理・補充などを請け負う「SPD（Hospital Supply Processing and Distribution）業務の受託」など、医薬品流通に不可欠な幅広いサービスを提供しています。

沿革

当社のルーツは、第二次世界大戦後の輸血用血液供給体制の確立に遡ります。1952年（昭和27年）8月、日本ブラッドバンク（後のミドリ十字、さらに再編を経て現在の田辺三菱製薬の一部となる）の輸血用血液を東海地方へ供給するための拠点として、「財団法人公衆保険協会日本血液銀行東海地区配給所」が設立されました。

その後、血液事業の専門化が進み、1958年（昭和33年）1月には血液事業部が分離独立し、「株式会社東海ブラットセンター」が設立されます。同年4月には、愛知県外への事業展開として長野県に子会社「株式会社長野ブラットセンター」を設立しました。

1963年（昭和38年）7月、長野ブラットセンターが東海ブラットセンターを吸収合併し、「東海販売株式会社」へと社名を変更。組織体制を再構築しました。

1966年（昭和41年）4月、日本ブラッドバンクの商号が「株式会社ミドリ十字」に変更されたのに合わせ、当社も「株式会社愛知ミドリ十字」に社名を改めました。この時期から、従来の血液供給業務に加え、医療用医薬品の卸売業務を開始し、事業領域を拡大します。同年5月には、神奈川県の株式会社東神薬品と業務提携を結んでいます。

1969年（昭和44年）8月には、現在の親会社であるスズケンの完全子会社となり、スズケングループの一員となりました（現在は連結子会社）。1974年（昭和49年）1月には、業務提携していた株式会社東神薬品を合併し、事業基盤を強化しました。

1977年（昭和52年）7月、「株式会社アイチメディカル」に社名を変更しました。

1999年（平成11年）10月、事業構造の大きな転換期を迎えます。従来の医薬品卸売業から、医薬品に特化した運送・物流業へと事業の軸足を移し、「株式会社スズケンロジコム」に社名を変更しました。これは、医薬品流通におけるロジスティクスの重要性が高まる中で、専門的な物流機能を強化するための方針転換でした。

そして2014年（平成26年）10月1日、同じスズケングループ内の物流関連会社である秋山物流サービス株式会社および株式会社コラボワークスを吸収合併し、現在の社名である「株式会社エス・ディ・ロジ」に商号を変更しました。この合併により、グループ内での物流機能がさらに集約・強化され、医薬品ロジスティクスの専門企業としての地位を確立しています。

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