エチレンプロピレンゴム

エチレンプロピレンゴム (EPM) の概要

エチレンプロピレンゴム（EPM）は、エチレンとプロピレンの共重合体として製造される合成ゴムの一種です。ASTMにおいては「EPM」と略されます。このゴムは、特に耐オゾン性に優れた特性を持つ一方で、鉱油や有機溶剤に対する耐性が劣るという特性も有しています。エチレンとプロピレンの量比や製造方法により柔軟性や強度を調整できるため、広範な用途に適しています。

加硫のためのバリエーション

EPMは一般的に、硫黄化合物による加硫が行われており、その際には少量のジエンモノマーを共重合させたエチレンプロピレンジエンゴム（EPDM）またはエチレンプロピレンテレフタレート（EPT）として使用されることが多いです。この加工により、加熱や圧力によってゴムの性質が改善され、より高い耐久性や弾力性を持つ製品が生まれます。

主な用途

エチレンプロピレンゴムは、その特性からさまざまな分野で利用されています。以下に主な用途を示します。

1. 防振材
EPMは、耐候性や耐水性に優れているため、道路や橋梁などの屋外での防振材に使用されることが多いです。これにより、構造物の寿命を延ばし、事故防止に寄与します。

2. 電線被覆材
このゴムの優れた電気絶縁特性から、電線やケーブルの被覆に活用されています。高い絶縁性により、電気用品における安全性が確保されます。

3. 遊具
発色性の良さや人畜無害の特性もあり、遊具の素材としても重宝されています。子供たちの安全を考えた選択です。

4. 流体移送のガスケットやOリング
EPMは、流体移送配管の接合部分に使われるガスケット、Oリング、パッキンなどの製造にも適しています。これらは特に重要なコンポーネントであり、漏れを防ぐ役割を果たします。
ただし、水道水中に含まれる塩素が多い地域では、エチレンプロピレンゴムが粉状に溶ける可能性があるため、注意が必要です。

まとめ

エチレンプロピレンゴムは、耐オゾン性や耐候性、電気絶縁性に優れ、さまざまな分野で活用されています。その特性を活かした応用が進む中で、今後も重要な材料の一つとしての役割を果たすことでしょう。

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