エドサル (駆逐艦)

エドサル (USS Edsall, DD-219) について

USS Edsall (DD-219)は、アメリカ海軍に所属する駆逐艦の一つで、クレムソン級に属します。この艦の名称は、米西戦争で命を落としたノーマン・エドサル上等兵に由来しています。初代エドサルとして知られ、戦間期から太平洋戦争まで多くの任務に従事しました。

艦歴の始まり

エドサルは1919年9月15日にフィラデルフィアのウィリアム・クランプ・アンド・サンズ社で起工され、1920年7月29日に進水しました。進水式には、エドサルの姉妹であるベッシー・エドサル・ブラッシー夫人が出席し、艦長A・H・ライス中佐の指導の下、1920年11月26日に就役しました。就役後、エドサルはサンディエゴで約1ヶ月間の慣熟訓練を実施し、その後は西海岸での戦闘演習や砲術訓練に従事しました。

艦は1922年5月にチャールストンから地中海へ向かい、コンスタンティノープルに到着しました。この時期、近東はロシア内戦やトルコ革命によって混乱していましたが、エドサルはアメリカの権益保護と難民救助活動に貢献しました。特に、トルコ革命中にスミュルナで発生した大火では、数千人のギリシャ人を避難させる任務を果たしました。エドサルはその後、多くの東ヨーロッパの港を訪問し、訓練を続けました。

アジア艦隊での任務

1925年にはアジア艦隊に配属され、主にフィリピンや中国沿岸で活動しました。この期間、エドサルは国共内戦や日中戦争の影響からアメリカの権益を守るための任務を遂行しました。砲艦外交の一環として、アジアの主要港を訪問し、地域の安全保障に寄与しました。

太平洋戦争突入

1941年12月7日、真珠湾攻撃の際、エドサルはバリクパパンに停泊中でした。攻撃後、艦はシンガポール方面に向かい、そこで沈没したイギリス艦船の生存者を救出するなど、積極的に救助活動を行いました。1942年には、ダーウィン近海での潜水艦との戦闘に参加し、伊号第一二四潜水艦を撃沈した最初のアメリカ駆逐艦となります。

このように、エドサルは様々な戦闘において重要な役割を果たしながら、すぐに危険な状況に直面することも多かったのです。1942年2月、エドサルは日本海軍との接触を果たし、戦闘において巧妙な回避行動を見せました。

撃沈とその後

1942年3月1日、エドサルは日本艦隊の砲撃を受けて撃沈されました。その際、艦は高射砲を巧みに用いて反撃を試みましたが、最終的には煙幕を張り、一時的には逃げ延びました。だが、その後、航空機による攻撃を受け、艦は沈没しました。艦長の指揮のもと、乗組員たちはその状況に苦慮しつつも、精一杯の避難を試みました。

エドサルの撃沈に費やされた砲弾の数は膨大で、日本側はエドサルを沈めるのに多くの砲弾を必要としました。しかし、エドサルはその巧妙な回避運動によって、敵艦隊に与えた衝撃は決して小さくありませんでした。残念ながら、乗員の多くは捕虜となり、悲劇的な運命を辿ることになります。

第二次世界大戦におけるエドサルの戦績は評価され、艦は2つの従軍星章を受け取ることになりました。この艦は、その壮絶な歴史を通じて、多くの勇敢な行動を示しました。

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