エドサル級護衛駆逐艦

エドサル級護衛駆逐艦について

エドサル級護衛駆逐艦は、アメリカ海軍が第二次世界大戦中に建造した艦艇であり、正式にはEdsall Class Destroyer Escortsと呼ばれています。この級は長い船体を持つバックレイ級やキャノン級に基づいて設計されており、FMR型とも呼ばれる主機構成が特徴です。名前の由来は、初代艦艇ノーマン・エドサルに因んでいます。

設計の特徴

エドサル級は、ギヤード・ディーゼル（CODAD）方式の主機を採用しており、潜水艦で使用されていたフェアバンクス・モース社製の38D8-1/8-10型の2サイクルデュアルバンク8気筒ディーゼルエンジンを4基搭載しています。これらのエンジンは、2基ずつのペアで接続され、歯車減速機を介して推進器を駆動します。生産の限界から、当初は主力艦に優先的に供給された蒸気タービンが不足し、これを補う形で低馬力のディーゼルエンジンが採用されました。

この艦艇は機関部が二つの区画に分かれており、それぞれが左右に配置されています。これにより、構造上の安定性が確保されています。エドサル級は、当時の海戦において必要な機動力と火力を併せ持っていました。

装備と武器システム

エドサル級護衛駆逐艦は、武器システムにおいても優れた能力を発揮しています。主砲としては、Mk.22型の3インチ単装緩射砲を艦首甲板、前部甲板室上、艦尾甲板に各1基ずつ計3基装備しています。これにより、対空射撃能力が強化されています。

主砲用の射撃指揮装置は艦橋上に設置されており、測距レーダーを備えたMk.52や、より精密な射撃を支援するMk.57およびMk.63といった対空射撃用レーダーが導入されています。

また、40mm機銃が上部構造物の後方に連装砲架として装備され、さらに近接防空用に20mm機銃も多数搭載されています。後に雷撃の機会が減少したため、連装砲架の設置が進められ、その配置が変更されることもありました。

配備状況

エドサル級は、合計85隻が建造され、その全艦がアメリカ海軍に引き渡され、1943年から運用を開始しました。具体的には、DE-129からDE-152、DE-238からDE-255、DE-316からDE-338、DE-382からDE-401の各艦が含まれています。主に大西洋戦線で船団護衛や哨戒任務に従事し、数隻が二次大戦中に戦没しました。

戦後、5隻は海外に供与されましたが、残る艦は1974年までアメリカ海軍での運用を続けました。その中で、「スチュワート」という艦はテキサス州ガルベストンで博物館船として保存されています。

運用国

エドサル級はアメリカ海軍に75隻、アメリカ沿岸警備隊に12隻（退役艦）、中華民国海軍に2隻、メキシコ海軍に1隻、ベトナム共和国海軍に2隻が運用されていました。これにより、エドサル級は多国籍の海軍でも幅広く利用されたことがわかります。

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