エドワード4世 (イングランド王)

エドワード4世の生涯と治世

エドワード4世（Edward IV、1442年4月28日 - 1483年4月9日）は、イングランドのヨーク朝の国王であり、1461年から1483年まで在位しました。彼の治世の背景には、長い内戦である薔薇戦争があり、その争いの中で王位を獲得しました。エドワード4世は、第一次内乱でランカスター派を打ち破り、ヘンリー6世を廃位させて新たに国王として即位しましたが、短い間に王位を奪われる危機も経験しています。これに続く復位劇と、その後の急死はイングランドの歴史に大きな影響を及ぼしました。

生い立ちと王位獲得の経緯

エドワード4世は、ヨーク公リチャードとセシリー・ネヴィルの次男としてフランスのルーアンで誕生しました。母方の家系はエドワード3世の直系の子孫であり、王位継承権を持っていました。幼少期をウェルズのラドロー城で過ごした彼は、若い頃から父の権力拡大に随伴し、1455年の第一次セント・オールバンズの戦いによって薔薇戦争が激化しました。

1460年のノーサンプトンの戦いでランカスター軍を破った後も、エドワード4世は父から王位請求権を受け継ぎ、1461年にロンドンで即位しました。彼は、ウォリック伯リチャード・ネヴィルと協力し、タウトンの戦いにおいて決定的な勝利を収めます。しかし、その後の彼の治世は常に安泰ではなかった。

反乱と王位の喪失、復位

1464年、エドワード4世はエリザベス・ウッドヴィルと秘密裡に結婚します。これが貴族たちとの対立を引き起こし、彼の権威を揺るがす原因となりました。1469年、ウォリック伯との間に亀裂が生じ、エッジコート・ムーアの戦いで敗北し、一時王位を奪われる重大な危機が訪れました。ウォリック伯が復位させたヘンリー6世への支持を得るため、エドワード4世はフランスへ逃亡しなければならなかった。

しかし、1471年にはリチャード（後のリチャード3世）と共にイングランドに戻り、王位を取り戻しました。適応力と戦略の巧妙さが彼の復位を導いたと言えるでしょう。エドワード4世は、その後も内戦の混乱を乗り越え、1495年まで治世を続けました。

治世と外交政策

エドワード4世の治世は人々からの支持を受けていましたが、私生活においては問題も多く、好色家としても知られています。彼自身は華やかな生活を楽しみましたが、そのため王室の名声は揺らぎ、豪奢さが批判されることもありました。また、王妃エリザベスとの結婚によって持つ権力と地位の安定を望む一方で、彼の入れ込み方を巡り貴族たちとの信任関係は徐々に悪化します。

外交面では、彼はフランスとの同盟を一時的に重視しましたが、最終的にはブルゴーニュ公との連携を選び、フランスに対抗しました。1475年には短い間の対仏戦争を請け負い、ピキニー条約を締結したものの、その内容には多くの批判を招きました。しかし、この条約は軍事的な市場を改善し、王国の財政を支える役割も果たしました。

死と後の影響

エドワード4世は1483年に不摂生が祟り、急死します。彼の早すぎる死は、エドワード5世という未成年の王の時代を迎え、続く政治的な混乱に寄与します。この混乱はリチャード3世の即位へと繋がり、テューダー朝の成立を促すこととなります。エドワード4世には長男エドワード5世がいましたが、彼とその弟リチャードは、リチャード3世によってロンドン塔に幽閉され、不幸な運命を辿ります。

エドワード4世は短い治世の中で多くの地位と権力を手にしたにも関わらず、後の王国の道を大きく変える要因となった人物でした。彼の生涯は、権力闘争や貴族同士の絡み合った関係のシンボルとして、特筆されるべきものとなっています。

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