エネクスフリート

エネクスフリート株式会社：エネルギーと多角経営のパイオニア

エネクスフリート株式会社は、日本のエネルギー業界において重要な役割を担う企業です。軽油を中心に、ガソリンスタンドやインタンクへの石油販売を主要事業として展開しています。全国各地に広がる「エネフリ」ブランドのガソリンスタンドは、多くのドライバーにとって馴染み深い存在となっています。

同社の強みは、ENEOS、コスモ石油、出光興産、カーエネクスなど、複数の石油元売業者と提携している点です。これにより、安定した燃料供給体制を構築し、顧客へのサービス向上に繋げています。また、ガソリンスタンドには供給元を示す看板も併設されているため、消費者は燃料の種類や供給元を明確に確認できます。

特に、運送会社を主な顧客層としており、大型トラックやトレーラーなどに対応した直営スタンドを約140店舗（2017年時点）展開しています。これは、同社が運送業界のニーズを的確に捉え、それに合わせた事業展開を行っていることを示しています。伊藤忠エネクスとの関係も深く、2017年時点では同社の軽油販売の約40％、ガソリン販売の約10％を占める規模にまで成長を遂げています。

エネクスフリートの事業は石油販売にとどまりません。近年は、多角経営戦略を積極的に推進しています。具体的には、車買取販売事業への参入や、介護施設「レッツ倶楽部」のフランチャイズ展開など、幅広い分野へと事業領域を広げています。

歴史を振り返ると、1957年に大阪市大正区で木津川石油商会として創業されました。その後、伊藤忠燃料（現・伊藤忠エネクス）の特約店第1号給油所の建設を機に、港南石油、港南株式会社と社名変更を経て、1977年にはコーナンフリート株式会社として石油事業拡大を目指しました。これは、ホームセンターコーナンを運営するコーナン商事と同じく疋田耕造氏を創業とする点が興味深い点です。2008年には伊藤忠エネクスが全株式を取得し、2011年に現在の社名「エネクスフリート株式会社」に変更されました。

近年では、環境問題への取り組みにも注力しています。2018年には、環境省の「大型LNGトラックおよび最適燃料充填インフラの開発・実証事業」に協力し、大阪市住之江区に日本初のLNG（液化天然ガス）ステーションを開設しました。これは、持続可能な社会への貢献を目指す同社の姿勢を示す象徴的な出来事です。

このように、エネクスフリート株式会社は、石油販売事業を基盤としながらも、多角的な事業展開と環境への配慮を両立させて成長を続ける、日本のエネルギー業界における注目企業です。その歴史、事業内容、今後の展開から目が離せません。

エネクスフリート株式会社の沿革

1957年1月：大阪市大正区にて木津川石油商会創業
1961年1月：伊藤忠燃料（現・伊藤忠エネクス）特約店第1号給油所建設、港南石油に社名変更
1967年8月：株式会社港南石油商会設立
1972年3月：港南株式会社に社名変更
1977年4月：コーナンフリート株式会社設立
1986年8月：本社を大阪府堺市西区鳳東町に移転
2004年12月：子会社オートジョイントコーナン株式会社設立
2008年9月：伊藤忠エネクスが全株式を取得
2009年4月：本社を大阪府大阪市淀川区西宮原に移転
2011年4月：エネクスフリート株式会社に社名変更
* 2018年6月：日本初のLNGステーション開設、介護事業開始

関連企業

運送業界をターゲットとする企業としては、宇佐美鉱油やENEOSウイングなどが挙げられます。これらの企業と比較することで、エネクスフリート株式会社の事業戦略や市場におけるポジションをより深く理解することができるでしょう。

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